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イスラエル軍が大規模な地上作戦を開始、144人のパレスチナ人が死亡

イスラエル軍が大規模な地上作戦を開始、144人のパレスチナ人が死亡
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イスラエル軍は5月18日、ガザ地区で大規模な地上作戦を開始したと宣言し、数多くのパレスチナ人が殺害された。

 

ガザ地区北部の病院へも攻撃を継続

 

イスラエル軍は現在、ガザ地区北部と南部の両方で地上作戦を展開しており、空軍の支援を受けた地上部隊が攻撃を行っているという。

 

ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプ内にある、アル・ファルージャ地区では、イスラエル軍の戦闘機により、住宅が爆撃され、2人が死亡。ガザ市東部のアル・トゥッファ地区も、砲撃を受けているそうだ。

 

ガザ地区北部のアル・シファ病院やインドネシア病院も、5月17日からイスラエルのドローンによる、絶え間ない攻撃にさらされているという。

 

しかもイスラエル軍は、負傷者が病院にたどり着くのを阻止することで意図的に殺害し、病院内の患者、負傷者、医療スタッフを直接標的にしている。これにより負傷者や病人への医療提供の継続が不可能になり、主要病院の機能は停止しているそうだ。

 

またガザ地区南部のアル・マワシ地区でも、避難民キャンプがイスラエル軍の攻撃を受け、テントで寝ていた子供を含む数十人が死亡。ガザ地区中部のDeir el-Balahでも、イスラエル軍の空爆により3人が死亡している。

 

ガザ地区の保健当局によれば、5月18日の夜明け以来、少なくとも144人のパレスチナ人が殺害されたという。

 

イスラエルのネタニヤフ首相は、今回の地上作戦が「ハマス」の打倒を目的としているとし、イスラエル軍がガザに「進入して撤退する」ことはないと述べ、無期限にガザ地区を占領することを示唆した。

 

米特使「人道危機が起こるのを許さない」

 

イスラエルは現在、ガザ地区全域を封鎖し、医薬品や食料、燃料の搬入を阻止しており、専門家らはガザ地区で飢餓が差し迫まっていると指摘している。

 

そしてトランプ大統領の中東担当特使、スティーブ・ウィトコフ氏はABCニュースのインタビューにおいて、ガザ地区での人道危機について次のように述べた。

 

「我々は人道的危機を見たくない。トランプ大統領の任期中にそれが起こることを許さない」

 

この発言を受けてか、イスラエルのネタニヤフ政権は5月18日、飢饉を回避するため、ガザ地区への人道支援を「最低限の量」認めると閣議で決定。首相官邸も声明で、次のように述べた。

 

「戦闘拡大の必要性から、飢饉の発生を防ぐため、ガザ地区住民に最低限の食糧を提供する。飢饉は、ハマス掃討を目指す『ギデオンの戦車作戦』の継続を危うくする可能性がある」

 

ただしイスラエルの首相官邸は、支援物資が敵の戦闘員に届かないよう、「ハマス」による分配を阻止すると発言。また支援物資が、いつ、どのような形でガザ地区に届けられるのか、明らかにしていない。

 

この決断に対し、イスラエルの極右政治家、イタマール・ベン=グヴィル国家安全保障相は、ネタニヤフ首相によるガザ地区への支援物資の搬入許可を「重大な過ち」と非難した。

 

オランダで反イスラエルの大規模なデモ

 

5月18日には、オランダのハーグで、反イスラエルの大規模なデモが行われた。このデモにはオランダの各地から人々が集まり、主催者によれば、10万人以上がハーグ市内を行進したという。

 

 

デモ参加者は、オランダ政府に対し、貿易や武器の輸出入を通じたイスラエルに対する支援を中止するよう訴えたそうだ。

 

すでにオランダ政府はEUに対し、イスラエルが国際法に違反しているため、自由貿易を約束するEU・イスラエル連合協定の見直しを求めたという。

 

また昨年には、スペインとアイルランドもEU・イスラエル連合協定の見直しを求めていたが、EUはまだ結論を出していない。

 

この件については5月20日に、ベルギーのブリュッセルで会議が行われる予定で、今回の抗議デモもそれに圧力をかけることになると考えられている。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Israel launches ‘extensive’ ground attack as 144 killed in Gaza(5/18)

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