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60歳の男性、ChatGPTのアドバイスから臭化ナトリウムを摂取、中毒に陥る

60歳の男性、ChatGPTのアドバイスから臭化ナトリウムを摂取、中毒に陥る
X_OpenAI

アメリカで男性が、AIのアドバイスによる食事療法を続け、危うく命を落としそうになったことが報告されている。

 

AIが臭化ナトリウムを推奨

 

学術誌「Annals of Internal Medicine」で報告された内容によれば、その男性は60歳で、食事から塩分を抜きたいと考え、ChatGPTに塩化ナトリウムの代替品を相談したという。

 

するとAIは、農薬によく使われる化学物質の臭化ナトリウムを推奨。男性は臭化ナトリウムをネットで購入し、3カ月間塩と置き換え、摂取し続けたそうだ。

 

男性は最終的に、隣人が自分を毒殺しようとしているのではないかと恐れ、病院を受診。しかし医師は、男性が妄想や幻覚を引き起こす臭化物中毒にかかっていると診断した。

 

1980年代後半に臭化物を廃止

 

男性は病院に入院し、命を取り留めたと考えられている。また医師たちは、ChatGPTを調べたところ、やはり塩化ナトリウムの代替品として臭化ナトリウムを推奨していたそうだ。

 

臭化物中毒は、臭化塩が様々な市販薬に使用されていた20世紀には、より一般的だったという。

 

1975年から1989年にかけてアメリカ食品医薬品局(FDA)が、臭化物を段階的に廃止した後、症例数は急激に減少したそうだ。

 

今回の事例は、十分な理解や適切なAIリテラシーを持たずに、複雑な健康上の意思決定をChatGPTに頼ることの危険性を浮き彫りにしている。(了)

 

出典元:The Hill:Man poisons himself after taking ChatGPT’s dietary advice(8/12)

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