イスラエル軍がガザ市で大規模作戦を開始、全域で106人のパレスチナ人を殺害

イスラエル軍はガザ地区北部のガザ市に対し、大規模な作戦を実施し、激しい攻撃を加えている。
ガザ市だけで91人が死亡
イスラエルのネタニヤフ首相は9月16日、汚職裁判に出席する中で、イスラエル軍がガザ市で「大規模作戦」を開始したと述べた。
そしてイスラエル軍は、ガザ市からの強制避難を通告。住民に対し、同市は「危険な戦闘地域」であり、立ち去るべきだと警告したという。
ガザ市内では現在、イスラエル軍の2個師団が作戦を展開しており、もう1つの師団が近日中に攻撃に加わる見込みとされている。
イスラエル軍はガザ市に対し、砲撃を加え、ヘリコプターや戦闘機、ドローン、ミサイルを使い、容赦のない攻撃を繰り返しながら、市の中心部に進軍しているという。
またイスラエル軍は高層ビルなども破壊し続け、もはや住民が住むことのできない状況を作り出している。
ガザ市の住民らは、車やトラック、ロバの荷車に家財道具を積んで、または徒歩で避難しているそうだ。
ガザ地区の医療関係者によれば、9月16日にはイスラエル軍の攻撃により、全域で106人のパレスチナ人が死亡し、ガザ市だけで91人が殺害されたという。
下はイスラエル軍の戦闘機が、ガザ市東部のトゥッファ地区にあるモスクを爆撃する様子。
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イスラエルへの武器移転の停止を要請
国連人権理事会の独立国際調査委員会は9月16日、ガザ地区の状況における新たな報告書を発表し、2023年10月以来、イスラエル軍がジェノサイドを犯し続けていると結論付けた。
この報告書では、国際法で定義される5件のジェノサイド行為のうち、少なくとも4件がイスラエルによって行われたと指摘された。この点については、BBCジャパンが詳しく報じている。
国連の調査官は、全ての国連加盟国に対し、「合理的に利用可能な」あらゆる手段を用いて、ジェノサイドの撲滅に努めるよう要請。また全ての国連加盟国に対し、イスラエルへの武器移転の停止を求めた。
パレスチナ人女性への性的虐待にも言及
また報告書では、パレスチナ人の囚人、特に女性への性的虐待に関する衝撃的な詳細が含まれていた。
例えば女性の被拘禁者は、イスラエル軍およびイスラエルの刑務所において、性的暴行や嫌がらせを受け、さらに生命の脅迫やレイプの脅迫を受けたという。またある女性の被害者は、長時間にわたる徹底的な全裸検査を受けたと報告しているそうだ。
国連の報告書には、次のように書かれていた。
「女性たちは暴行や嫌がらせを受け、性的侮辱を受けた。女性の被拘禁者は、男性兵士の前で、下着姿になって撮影されるなど、屈辱的な状況下で、同意なく写真を撮られ、これらの写真はしばしばソーシャルメディアに投稿された。また一部のパレスチナ人女性は、公共の場で、そして地域住民の前で、ベールを外すことや下着姿になることを強制された。委員会は、イスラエルの治安部隊がパレスチナ人女性を性別や民族に基づき意図的に侮辱し、嘲笑してきたことを明らかにした」
イスラエルを支援する国を国連から排除
アイルランドのマイケル・D・ヒギンズ大統領は、イスラエルがガザ地区でジェノサイドを犯していると結論付けた国連調査委員会の報告書は、国際的な行動を促す「重要な」文書だと主張。
その上でヒギンズ大統領は、イスラエルに武器を供給している国を、国連から除外すべきと提言し、「私は、今必要な行動は、ジェノサイドを遂行している者と、武器でジェノサイドを支援している者を排除することだと信じている」と語った。
またルクセンブルクのリュック・フリーデン首相は16日、記者団に対し、「ここ数カ月でガザ地区の状況は著しく悪化している」と述べ、今月下旬に開催される国連総会でパレスチナ国家を承認する予定だと明らかにした。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel ‘burning the ground’ in Gaza City assault, thousands flee(9/16)