イスラエルと「ハマス」が停戦の第2段階へ準備、不明確な問題が浮上

ガザ地区における停戦の第2段階への準備が進められようとしているが、いまだに明確化されていない問題も残っている。
国際安定化部隊による武装解除に反対
アメリカが取りまとめたガザ地区における和平計画では、停戦の第2段階で国際安定化部隊が投入されることになっているが、その役割がいまだに不明確なままだという。
「ハマス」の幹部であるBasem Naim氏は12月7日、アメリカの草案には「多くの明確化」が必要だとし、停戦中の武器の「凍結または保管」について協議する用意はあるものの、国際安定化部隊が「ハマス」の武装解除の役割を担うことは受け入れられない、と述べた。
Naim氏は「我々は、(国際安定化)部隊が国境付近に駐留し、停戦合意を監視し、違反を報告し、いかなるエスカレーションも阻止することを歓迎する。しかし部隊が、あらゆる種類の権限を持つことを受け入れない」と述べたという。
ネタニヤフ首相が米大統領と会談予定
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は12月7日、ドイツのメルツ首相との共同記者会見で、今月末にアメリカのトランプ大統領と会談し、停戦計画の新たな段階(第2段階)に入ることについて協議すると明らかにした。
そして会談の焦点については、「ハマスの武装解除と、ガザ地区の非武装化を達成することだ」と述べたという。
「ハマス」による武器の「凍結または保管」が、イスラエルの要求する完全な武装解除に当てはまるのかは、明確になっていない。
ただNaim氏は、同組織が「抵抗する権利」を保持していると述べ、武器の放棄はパレスチナ国家の樹立に向けたプロセスの一環として行われる可能性があり、5年から10年にわたる長期停戦の可能性もあるとの見方を示した。
具体的な詳細や時期が不明確
トランプ大統領の20項目からなるガザ地区の和平計画には、国際安定化部隊の設立や国際的な「和平委員会」の下で運営されるテクノクラートによるパレスチナ政府の樹立といった大まかな方向性が示されているものの、具体的な詳細や時期については示されていない。
国際安定化部隊についても、インドネシアなどの国々が部隊派遣に同意しているものの、部隊設立のロードマップはなく、部隊の具体的な構成、指揮系統、責任範囲は未だ明確ではない。
停戦の第2段階は、最後の人質の遺体が返還されれば開始される計画だが、すでに第1段階でも停戦維持に困難を極めており、イスラエル軍は停戦期間中もガザ地区への爆撃を続け、保健当局によると370人以上のパレスチナ人を殺害しているという。
一方、イスラエル側は、「ハマス」が人質の遺体の返還を遅らせていると非難している。
アメリカの和平計画では、パレスチナ国家樹立の可能性を残しているが、イスラエルのネタニヤフ首相は長年これを否定し、パレスチナの国家樹立は「ハマス」に利益をもたらすと主張してきた。(了)
出典元:Aljazeera:Hamas and Israel move towards phase two of US-backed Gaza plan(12/7)

























