豪に設置された「バーチャル・フェンス」、車による動物の死亡事故が50%も減少
オーストラリアで開発された装置のテストにより、車にひかれる動物の数が劇的に減ったことが明らかとなった。
動物の死亡する割合が50%減少
その装置とは「バーチャル・フェンス・システム」と呼ばれるもの。
これは車が来ることを動物に警告する装置で、野生動物が車にひかれる割合の高い、タスマニアに3年間設置され、テストが行われてきたという。
そしてこの調査結果が先月、Australian Mammologyにおいて発表され、「バーチャル・フェンス」によって動物の死亡事故が50%減少したと報告された。
サイレントと光を組み合わせて警告
このテストでは、小さな携帯サイズの警告装置を、ハイウェイの道路沿いにあるポールに80フィート(約24m)間隔で設置。
装置が車を検知すると警告音が鳴り響き、光が発せられ、野生動物がハイウェイに近づくのを恐れるようになるという。
警告装置の中にあるセンサーが車のヘッドライトを検知する仕組みで、道路側に向けて設置されていないため、ドライバーの運転にも支障をきたさないそうだ。
このプロジェクトを率いる研究者のSamantha Foxさんは、次のように語っている。
「これは青と黄色のフラッシング・ライトと、甲高いサイレンを発します。これらを組み合わせて、野生動物に車が来たことを警告し、動物たちに道路から離れる時間を与えるのです」
現在、道路上での野生動物の死亡事故を減らすのに、最も効果が高いと言われているのは、専用の「抜け穴」をつくること。しかしそれらは通常、費用が高くつく。
しかしこの装置はコストも安く、ハイウェイの広い範囲にも設置できることから、絶滅危惧種を守る解決策として期待されているという。(了)
出典元:Good News Network:Inexpensive New ‘Virtual Fence’ Dramatically Reduces Rates of Road Kill in Australia(12/14)
出典元:DIGITAL TRENDS:Australian ‘virtual fence’ halves roadkill on one deadly stretch of road(11/30)