Switch news

知っておきたい世界のニュース

NASAが公開した「ウルティマ・トゥーレ」、名前がナチスに関連すると非難の声

NASAが公開した「ウルティマ・トゥーレ」、名前がナチスに関連すると非難の声
Twitter/NASA
地球から最も遠い場所にある「Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ)」という天体の姿が公開されたが、その名前はナチス・ドイツに関連するとして物議を醸している。  

ナチスの神話に出てくる名前

  NASAは1月2日、無人探査機「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」が到達した、人類の宇宙探査史上で最も遠い天体、「2014 MU69」の写真を公開した。   これは地球から約64億キロ先の宇宙空間に浮かぶ氷に覆われた天体で、1日にはニュー・ホライズンズがフライバイ(接近通過)に成功していたという。そして写真が公開されると、「Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ)」の存在は多くの人に知られることに。   ところが「ウルティマ・トゥーレ(世界最果ての地・島)」という名前は、「アーリア人」の生まれた場所であると指摘され、ナチスに関連するとの非難の声が上がったそうだ。(※ナチスは、ドイツ国民こそ最も純粋なアーリア人であると主張していたそうだ)   ジャーナリストのMaggie Koerth-Baker氏は、次のように非難している。   「もしその名前がナチスと結びつきがあると分かれば、公的な資金で行われている調査に、その名前を使うのは、絶対に受け入れられない。名前にはナチスの神話との繋がりがある。NASAの人々はそれを知っていて、とにかくその名前を選んだ」   またサイエンス・ライターのShannon Stirone氏も、次のように述べている・   「ウルティマ・トゥーレはナチスの神話にある、アーリア人(または人種論)が生まれた場所だ。それは今日も、いまだにオルタナ右翼によって使われている言葉だ。私はその言葉を本質的に悪くさせると信じている。ナチスは悪いからだ」  

1000年以上も昔の言葉

  しかしNASAのAlan Stern氏は、先日記者会見で次のように擁護した。   「ウルティマ・トゥーレという言葉は非常に古く、数世紀前、恐らく1000年以上も前のものです。これは探査にとっては素晴らしい名前なのです。だから私たちはこれを選んだのです。また何人かの悪い人間がその言葉を使うからといって、私たちは彼らにその言葉をハイジャックさせるつもりはありません」   また一方で、さまざまな文化の中でナチスに関連するものを全て削除するというのは、難しいという意見もあるようだ。   実際、ナチスの科学者がアメリカの宇宙開発プログラムの誕生に関わっており、「鉤十字」も実際は古代ヒンドゥー教のシンボルを元に作られ、今でもインドやその他の国で使われているという。(了)     出典元:INDEPENDENT:Ultima Thule: Nasa defends name of distant space object amid questions about Nazi connections(1/3) 出典元:METRO:Nasa refused to change the name of mini-planet Ultima Thule despite its link to the Nazis(1/3)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top