暗殺を恐れてか?英への帰国を希望していたIS花嫁がキャンプから姿を消す
シリアに渡り、IS戦闘員と結婚していた女性が、それまでいた難民キャンプから子供とともに姿を消し、別のキャンプへ移されたと英メディアが報じている。
イギリスへの帰国を望むも、市民権剥奪
その女性とは15歳でイギリスからシリアに渡り、ISISに加わったShamima Begumさん(19)だ。
彼女は先日、シリア北部のAl-Hawl難民キャンプにいる所を確認され、その後子供を出産。赤ん坊を育てるために、イギリスへ帰国したいと訴えていたという。
そしてメディアのインタビューも受け、質問にも答えていたが、その後イギリス内務省から市民権を剥奪されてしまう。
Shooting range uses IS bride Shamima Begum picture for target practicehttps://t.co/04udYJBoIP pic.twitter.com/jNXvsxcwlY
— ITV News (@itvnews) February 27, 2019
彼女の首に賞金がかけられる
そして今回、Al-Hawlの難民キャンプからも、子供とともに姿を消していることが確認されたそうだ。
情報筋が英メディアに伝えたところによれば、Begumさんはテレビのインタビューを受けたことで、キャンプ内において有名人になっており、ISISでの生活を大胆に告白したことで報復を恐れていたという。
そしてインタビュー中も衣服で顔を覆うことをしなかったため、キャンプ内にいる強硬派の人物から批判を受けていたそうだ。
さらにBegumさんはキャンプ内で直接脅され、首には賞金がかけられ、常に恐怖の中で暮らして来たと言われている。
そのためBegumさんはAl-Hawl難民キャンプから、イラク国境付近にあるRoj難民キャンプへ連れて行かれたという。
英では射撃練習場の標的に使われる
一方、イギリスのエアガン射撃練習場は、Begumさんの写真を標的に使ったとして、国会議員から非難されている。
その射撃練習場とはイングランド北西部のマージーサイド、Wallaseyにある「Ultimate Airsoft Range」。この会社は先日、Begumさんの写真を使い、射撃用の的を作ったという。
そして新しいターゲットの顔だとして、「自分で選んだ」や「後悔なし」といったハッシュダグを付け、Begumさんの標的の写真をツイートしたそうだ。(現在、そのツイートは削除されている)
これに対し労働党のAngela Eagle下院議員は、「生きている人間の顔を標的に使うのは、承認できない」との趣旨を発言し、会社を非難した。
A shooting range in Wirral has been using images of Shamima Begum, the teenager who fled to Syria to join ISIS for shooting practice. Ultimate Airsoft Range in New Brighton said there was demand from their customers. pic.twitter.com/AJOy8tlRwS
— Radio City News (@RadioCityNews) February 27, 2019
「多くの人が望んでいること」
これに対し「Ultimate Airsoft Range」側は、これまでもターゲットとしてトランプ大統領やヒトラー、ジャスティン・ビーバーの写真を使用してきたと発言。
またBegumさんの顔を選んだのは、客からのリクエストがあったからで、多くの人が望んでいたという。
さらにスポークスマンは、私たちが選ぶターゲットは必ずしも自分たちの意見を反映させたものではないと主張。ただし「テロリズムや、それに関与した人物に容赦はしない」とも述べている。
Ultimate Airsoft Shooting Range in Wallasey, England offers "celebrity targets" to members, one is President Trump. pic.twitter.com/lrlxBxEaAl
— Dylan Hayward (@DylanHayward94) February 27, 2019
A shooting range is using an image of ISIS bride Shamima Begum as a target after receiving a 'record number' of requests from customers.
The Ultimate Airsoft Range in Wallasey, Merseyside, has defended using a picture of the teenager's face for… https://t.co/RFYPRlipX0
— American White (@AmericanWhiteHM) February 27, 2019
テロ事件の被害者への同情を示さず
Begumさんは度々、メディアのインタビューを受け、帰国したいとの内容を伝えているが、イギリス国内ではあまり彼女への同情が寄せられていない。むしろインタビューの内容に、多くの国民が憤りを覚えたという。
というのも彼女はインタビューで、シリアへ渡ったことは「後悔していない」と述べたり、マンチェスターのテロ事件についても「ISへの攻撃に対する報復だった」と語り、被害者に対してあまり同情を示したりすることはなかったからだ。
ただISISが行っていたこと全てに同意しているわけではないとも語っており、Begumさんの家族も帰国を強く望んでいるそうだ。(了)
出典元:MailOnline:Shamima Begum ‘flees from jihadi death threats’: ISIS bride takes newborn son and vanishes from refugee camp ‘in late-night escape after price was put on her head’(3/1)
出典元:BBC:Shooting range criticised for Shamima Begum target(2/27)
出典元:The Telegraph:Shooting range criticised after putting up target with face of Shamima Begum(2/28)