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「あっちへ行って!」タコが意図的に貝殻などをぶつけることが判明

「あっちへ行って!」タコが意図的に貝殻などをぶつけることが判明
YouTube/Science X

タコが相手に対し、意図的に貝殻などのゴミをぶつけていることが確認された。

 

映像を分析し「ゴミ投げ」を確認

 

この研究を行ったのは、オーストラリア・シドニー大学のPeter Godfrey-Smith氏らの研究チームだ。

 

彼らは2015年と2016年にオーストラリアのジャービス湾で、グルーミOctopus tetricus)の行動を水中ビデオカメラで記録。

 

その後、数日間にわたり24時間の映像を分析し、およそ10匹のタコのグループで102件の「ゴミ投げ」を確認したという。

 

オスとメス、両方とも行う

 

「ゴミ投げ」と言っても、タコが触手を使って実際に投げるわけではない。タコはサイフォン(水を高速で放出できる管状の構造物)から水を噴射し、海底にある泥や貝殻などを舞い上がらせ、相手にぶつけていたそうだ。

 

これを行うには、タコはサイフォンを通常とは異なる位置に移動させる必要があるため、この行動は意図的なものであることが示唆された。

 

このような行動はメスやオスともに観察されたが、66%がメスによって行われたという。

 

また約半数の「ゴミ投げ」は、腕の探りあいや交尾の試みなど、他のタコとの相互作用の最中、またはその前後に行われたそうだ。

 

ちなみに「ゴミ」が相手に当たる確率は、17%だったという。

 

暗い色の個体が力強く投げる

 

タコは体の色を変えることができるが、一般的に暗い色が攻撃性と結びついていると考えられている。

 

研究者たちも今回の観察を通して、暗い色の個体がより力強く投げる傾向にあり、他のタコにぶつかる可能性も高かったという。

 

またゴミが当たったタコは、身をかがめたり、ぶつけてきた相手に腕を上げたり、行動を変えていたそうだ。

 

まだタコがゴミをぶつける意図を判断するのは難しいものの、このように特定の個体に的を絞って投げるのが報告されたのは初めてで、ヒト以外の動物ではわずかしか観察されていないという。(了)

 

 

出典元:PHYS.Org:Octopuses caught on video throwing silt and shells around themselves and at each other(11/9)

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