米カリフォルニア州、大学の診療所で中絶薬提供を義務化する法案が承認され物議に
米カリフォルニア州で、大学の診療所における経口中絶薬の提供を義務付ける法案が承認され、物議を醸している。
大学診療所での中絶薬提供を義務付け
大学の診療所への経口中絶薬の常備を義務付ける法案は「上院法案第24号」、その名も“大学生のアクセス権利法”と呼ばれるもの。
法案は先月3日、カリフォルニア州の上院保健委員会で7対3の投票により承認された。
法案の内容は、カリフォルニア州立大学とカリフォルニア大学のキャンパスに位置する診療所で、2023年から“医療薬の技術による中絶の提供”を行うことを義務付けるものだ。
ただ、これを実現するには民間からの資金で約1020万ドル(約11億3271万円)も必要になるという。
中絶には保険を適用、でも大学に中絶薬はなし
しかし経口中絶薬を大学のキャンパスに常備させるとは、一体どういうことなのだろうか。
カリフォルニア州の法律においては、中絶には健康保険を適用することが可能だ。
その一方、同州の大学においては経口中絶薬の提供はされていない。
これについてカリフォルニア州の上院議員Connie Leyva氏は、「学生は、学生向けの診療所で簡単に提供され得るケアを受けるため、キャンパスの外へと出かけなければならなかったり、授業や職責を逃すべきではない」としている。
米国の学生らの悲願
一方、この法案の成立は、カリフォルニア州の大学生にとっては悲願となっているようだ。
このような法案がカリフォルニア州の議会に提出されたのは、今回が初めてではなく、昨年にも学生らは法案成立に向けロビー活動を行っている。
実際にロビー活動を行った学生Adiba Khanさんは、大学の診療所が様々な避妊法を提供している一方、中絶については何ら提供していないことを指摘。
「私は、学生向けの診療所から中絶薬を手に入れることを試みた複数の仲間に出会うことが出来ましたが、彼らは避妊薬を手に入れる以前に、主としてお役所仕事的なことで多くのハードルに直面することとなりました」としている。
日本では産婦人科等でしか購入することができず、また保険の適用外となるため非常に高額となっているイメージの強い経口中絶薬。そんな中絶薬の大学の診療所での提供を義務付ける法案が承認されるとは、なんだか米国らしいニュースだ。(了)
出典:Fox News:Bill to force college campuses to provide ‘abortion pills’ advances in California(4/8)
出典:Washington Times:California Democrats push for abortion pill in campus clinics (4/7)
出典:Fox News:Students lobby for abortion services at California public universities(2018/3/23)