お値段約5万円!バチカンが年に一度の“エクソシスト”養成コースを実施、その中身とは…
キリスト教の総本山、バチカンにおいて“エクソシスト”を養成するためのコースが行われているのは、本サイトにおいてもお伝えさせていただいた。
そんなバチカンによるエクソシスト養成コースが今年も実施され、注目を集めた。
世界各国から250名の聖職者が参加
バチカンによる“エクソシスト養成コース”は、今月6日から開催されたもの。
これには世界各国から、約250名ものエクソシストとしての訓練を受けることを希望する聖職者が参加。
一週間ほどかけて養成された後には、会議が行われたと言われている。
また今回のコースにおいてはカトリックのみならず、聖公会やルター派、ギリシャ正教、ペンテコステ派といった、教派の壁を越えた聖職者が参加。カトリック以外のキリスト教主要教派に属する聖職者が参加するのは、今回が初めてだという。
コースにかかる費用は、350ポンド(約4万9600円)だったと伝えられている。
悪魔の脅威が増大することを訴えるバチカン
エクソシストといえば、映画の中の話のように思われがちだ。
しかしバチカンは悪魔の脅威が増大しつつあることを真面目に訴えており、ローマ教皇も悪魔について言及。悪魔による憑依の可能性が考えられる場合には、エクソシストに助けを求めることをためらうべきではない、としている。
この悪魔の脅威が増大しつつある理由としては、社会において神の存在を信じない者が増えており、神に対する忠誠心が低下していること、さらにはインターネットの発達により黒魔術やオカルトに容易にアクセスできるようになってしまったことが挙げられるとしている。
神学教授であり今回のエクソシスト養成コースを主催したGiuseppe Ferrari氏は、これについて黒魔術や悪魔崇拝、吸血鬼といったものに関心を持つ若者が増えつつあることを指摘している。
エクソシスト養成コースでは一体何が行われたのか?
それでは“エクソシスト養成コース”においては、一体どのようなことが行われたのだろうか。
「我々の全ての力と決意をもって悪魔と闘うため、我々は招集されたのです」
コースの基調演説においてこう語ったのは、カトリックの牧師Jose Enrique Oyarzun氏だ。
実際のコースにおいては、“聖書における天使と悪魔”“エクソシズムの儀式の歴史的起源”、さらには“オカルトと悪魔的儀式の象徴学”といった授業を開講。
これらを通して、悪魔と闘うために必要とされる情報が共有されたとしている。
エクソシストのBenigno Palilla氏によると、イタリアでは年間50万件ほどの悪魔に取り憑かれたとみられる事例が発生しているとのこと。
実際にはその多くにおいて、悪魔の憑依ではなく精神病の罹患が発覚しているというものの、それでもバチカンは悪魔が憑依するケースは存在すると主張。
そのような事例においては、悪魔に取り憑かれたとされる人が現在は使われていない言語で話し始めたり、不可解なものを吐いたり、超自然的な力を用いたりする、といったことが見られるそうだ。
エクソシスト養成のためのコースを開講したバチカン。なんだか浮世離れした話のように感じてしまうが、世の中には一般人が理解できないようなことが多々存在するということを、改めて思い知らされた気がする。(了)
出典:Daily Mail:Exorcists of the world unite: 250 clerics from different Christian denominations gather in Rome for classes in driving out the devil(5/7)
出典:Daily Star:Vatican offers £350 exorcism training to teach how to cast out evil Spirits(5/7)
出展:Daily Telegraph:Exorcism goes mainstream: Combined Churches assemble in Rome to learn ‘best practice’ eviction of demons(5/8)