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ノーベル文学賞のハントケ氏、大量虐殺否定論者だとして批判が殺到

ノーベル文学賞のハントケ氏、大量虐殺否定論者だとして批判が殺到

オーストリア人の作家、ペーター・ハントケ氏が2019年のノーベル文学賞に選ばれたが、この決定に批判が多く寄せられている。

 

「勇気ある決断」と受賞者はコメント

 

スウェーデン・アカデミーは10月9日、オーストリア人の作家で詩人、劇作家でもあるペーター・ハントケ氏に、2019年のノーベル文学賞を授与すると発表した。

 

アカデミーは受賞理由について声明で、「言語上の創意工夫により、人間の経験の周縁や特異性を探求した影響力のある作品」と語っている。

 

この発表についてハントケ氏も「驚いた」とし、「スウェーデン・アカデミーの勇気ある決断である」とコメントした。

 

アルバニアの政府関係者も批判

 

しかし、この受賞について多くの人々から批判が寄せられているという。

 

アルバニアの外務大臣であるGent Cakaj氏は、ツイッターに「賞は恥すべきものだ。この賞は大量虐殺の否定論者に贈られた」という趣旨のコメントを投稿。

 

またアルバニアのEdi Rama首相も「ノーベル賞のために、吐き気を催すことになるとは、思ってもみなかった」とツイートした。

 

セルビア人による大量虐殺を否定

 

実はハントケ氏は、セルビアの指導者だったスロボダン・ミロシェビッチ氏と非常に近い関係にあったと考えられ、2006年には彼の葬式にも出席していたという。

 

またハントケ氏は以前、1995年にボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァで起きた、セルビア人による大量虐殺の事実を否定した。

 

この虐殺は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中にイスラム教徒であるボシュニャク人、8000人以上がセルビア人勢力によって組織的・計画的に殺害されたもので、その後に開かれた旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷でも、この事件がジェノサイドと認定されている。

 

この虐殺を否定した後、ハントケ氏は一旦謝罪したが、否定した理由について「口が滑った」と発言していたそうだ。

 

コソボの大統領や英作家も批判

 

このため今回の受賞について、コソボのHashim Thaci大統領も「ノーベル賞の決定は、数え切れないほどの犠牲者に大きな苦痛をもたらした」とツイート。

 

さらに大量虐殺の生存者の1人であるEmir Suljagicさんも「ミロシェビッチのファンで悪名高き大量虐殺否定論者がノーベル賞を受賞した。なんて時代に生きているんだ」と投稿している。

 

さらに表現の自由を擁護する非営利団体「PEN America」も、「歴史的な真実を削除するために自らの発言をした作家の選択に、言葉が出ないほど驚いている」と声明を発表。

 

イギリス人作家のHari Kunzru氏も「私たちが政治のリーダーたちの無関心やシニシズム(冷笑・皮肉なふるまい)に直面している中で、今まで以上に私たちは人権を強く守ることができる知識人を必要としている。しかしハントケ氏はそのような人物ではない」と述べ、ノーベル賞授与の決定を批判している。(了)

 

 

出典元:BBC:Peter Handke: Critics hit out at Nobel Prize award(10/10)

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