エジプトでもバレンタインデーはOK、宗教指導者が許可を出す
エジプトで宗教的なルールを定めるイスラム教の指導者が、バレンタインデーを禁止しない方針を発表していたのをご存じだろうか。
イスラム法には違反していない
ニュースサイトの「Youm7」によれば、エジプトにおけるイスラム法の研究・教育機関である「Dar al-Ifta」は、特別な日に彼らの愛を表現するカップルは、イスラム教のどんなルールも破ってはいないと発表したという。
この発表はエジプトでも人気のある、2月14日のバレンタインデーに向けて、多くの人々を安心させるために行われたそうだ。
実はエジプトでは1970年以来、11月4日がバレンタインデーと同じ役割を果たす日になっているのだが、「Dar al-Ifta」」はすでに2017年にもこの日にデートすることについての質問に対し、ビデオの中でイスラム教の教えに違反していないと伝えていたという。
そして今年は多くのエジプト人や幅広いアラブのメディアが、2月14日のバレンタインデーについての見解に注目していたそうだ。
宗教的な論争を引き起こす
2017年のビデオの中でも、指導者のAhmed Mamdouh師は次のように述べている。
「あるイベントをお祝いすることに、その日を捧げることは、イスラム法に背くものでない限り、またその行事を行う宗教に違反するものでない限り、何の問題もありません。私たちは贈り物を交換するとか、親切な言葉を交わすといった、イスラム法体系の範囲内における感情表現について話をしているのです」
しかし2月14日のバレンタインデーがキリスト教を起源にしているため、ここ数十年中東のイスラム社会においては、宗教的な論争を引き起こす導火線(避雷針)になっていたという。
実際、サウジアラビアの指導者、Muhammad ibn al Uthaymeen師などは、バレンタインデーを浅はかな考え方を心に占めさせ、欲望や情熱を掻き立てる「悪い革新」と呼び非難してきたそうだ。
また「Dostour daily」によれば、エジプトのイスラム強硬派である学校「Salafi school」も、Uthaymeen師の言葉を引用し、バレンタインデーが「異端」であると主張しているという。
しかしAhmed Mamdouh師は、バレンタインデーなどは、積極的な社会イベントであり、指導者たちが心配するものではないと主張しているそうだ。(了)
出典元:BBC:Valentine’s Day gets Egyptian seal of approval(2/14)