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中国がバッタの被害に苦しむパキスタンに、10万羽のアヒルの派遣を計画中

中国がバッタの被害に苦しむパキスタンに、10万羽のアヒルの派遣を計画中
flickr_Michael Mol

パキスタンでバッタが大量に発生し、穀物などに大きな被害を出していることを受け、中国政府が支援に乗り出した。

 

パキスタンに専門チームを派遣

 

そもそもパキスタンでは2月の初旬に、大量のイナゴが発生したため、非常事態宣言が出されたという。

 

このイナゴの群れは、過去20年において最悪の数に上っているそうだ。

 

そのため中国政府は、先週パキスタンにイナゴ対策のための専門チームを派遣。さらに今後、10万頭のアヒルを送る計画だと伝えられた。

 

ニワトリの3倍もバッタを食べる

 

しかし一体、どの程度の効果があるのだろうか?浙江省農業科学院のLu Lizhi氏は、米メディアのブルームバーグに対して次のように語っている。

 

「アヒルは生物兵器です。ニワトリは1日に70匹のイナゴを食べると言われていますが、アヒルはその3倍以上も食べます。またアヒルは群れで行動することを好みますので、ニワトリよりも管理がしやすいのです」

 

中国政府は今後、パキスタンに隣接する西部の新彊ウイグル自治区において、アヒルを使った試験を行う予定だという。

 

その後、アヒルたちはパキスタンで最もイナゴの影響を受けている、南部のシンド州や西部のバルチスタン州、中部のパンジャーブ州に送られる予定とされている。

 

環境に適応できるか疑問

 

しかしながら中国農業大学のZhang Long教授は、アヒルがパキスタンの乾燥した環境に適応できるか疑問視し、次のように述べている。

 

「アヒルは水に依存しています。しかしパキスタンは砂漠地帯です。しかも気温も非常に高い」

 

もっともLong教授も、古代からアヒルがイナゴ対策で使われていたことは認めている。ただしこのアヒルの派遣は、まだ正式な中国政府の支援プログラムには入っておらず、冒険的な手法だと主張しているそうだ。(了)

 

 

出典元:BBC:China may send ducks to battle Pakistan’s locust swarms(2/27)

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