人間だけじゃない!米国機関、ソーシャル・ディスタンスをペットにも行うことを推奨
新型コロナウイルスへの感染が拡大して以来、人と人との距離を取りソーシャル・ディスタンスの確保を行うということは最早常識となりつつある。
そのような中、米国機関がソーシャル・ディスタンスは人間のみならずペットにも適用されるべきものであるとし、注目を集めている。
人から動物への感染防ぐため
ソーシャル・ディスタンスの確保をペットにも行うべきであることを指摘したのは、米国の感染症対策総合研究所「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)」だ。
同機関によると、新型コロナウイルスの世界的流行が発生している最中において、飼い主にはペットを“家族の一員”と同様に扱うと共に、家族以外の人間や他の動物と交流を持たぬよう、予防線を張ることが求められるという。
その理由としては、“我々はまだこのウイルスについて学んでいる最中であるが、それは主として人から人へと広がっていると共に、場合によっては人から動物へと感染することも窺える”ためである、と説明している。
ペットへのソーシャル・ディスタンス確保はどう行う?
それではソーシャル・ディスタンスの確保をペットにも適用する際、実際にはどのようなことに気を付ければ良いのだろうか。
CDCが提示するペットとのソーシャル・ディスタンスのガイドラインは、大まかには以下の通りとなっている。
・ペットに対し家族以外の人間や他の動物との交流を持たせないこと
・他の動物や人間との交流を防止することが出来るのであれば、ネコを家の中に留めておくこと
・(散歩の際には)リードを付けて犬を歩かせると共に、他の人間や動物と少なくとも2メートルの距離を保つこと
・多くの人や犬が集まるドッグパークや公共の場を避けること
またCDCは自分自身が新型コロナウイルスに感染している場合、あるいは感染の可能性が考えられる場合には、以下のガイドラインに従うべきであるとも伝えている。
・可能であれば自分自身が罹患している際には、家族における他の人がペットの世話を行うこと
・撫でたり身体を擦りつけたり、キスや舐めさせたり、食べ物を共有したり、あるいは一緒に寝たりといったペットとの接触を避けること
・自信が罹患している時にペットの世話をしたり、動物の近くにいたりしなければならない際には、マスクで顔を覆うと共に接触の前後に手を洗うこと
ペットの感染例は少数、動物園では大型ネコ科の“クラスター感染”も
ペットの動物が新型コロナウイルスに感染したケースは決して多くなく、世界でも4月末時点で猫が3例、犬が2例に留まっている。
一方、米国ではニューヨークのブロンクス動物園で、トラが新型コロナウイルスに感染していることが判明。
その後検査を行ったところ結果的に4匹のトラ、3匹のアフリカライオンの合計8匹もの大型ネコ科動物が新型コロナウイルスに感染したことが明らかに。
症例が少ないと言えど、ペットから大型動物まで多くの動物に感染の可能性があることがわかってきている中、動物にもソーシャル・ディスタンスを確保する必要性は獣医の間でも唱えられていた。
米国の獣医師Melissa Salgado氏もこれに関しては「ソーシャル・ディスタンシングはペットにも適用される」とした上で、こう述べる。
「彼らにはこの病を発症するリスクがあり、そのため慎重すぎるくらい用心するのがベストだ」
ソーシャル・ディスタンスの確保をペットにも推奨するとしたCDC。新型コロナウイルスへの感染がここまで拡大してしまった以上、人間だけではなくペットであっても感染の可能性には常に曝されていると考えた方が良いのかもしれない。(了)
出典:Fox News:Coronavirus: Social distancing guidelines applies to pets, CDC says(4/28)
出典:The Denver Channel:CDC recommends social distancing for pets after cats test positive for Coronavirus(4/29)
出典:CNN:8 big cats have tested positive for coronavirus at the Bronx Zoo (4/23)
出典:ナショナル ジオグラフィック日本版:ネコにも感染、コロナとペット知っておきたいこと(4/28)