「チャーチルは人種差別主義者だ!」英でデモ参加者が元首相の像に落書き
イギリスでも人種差別に抗議する「Black Lives Matter」のデモが行われているが、ついに元首相も差別主義者と非難され、その像が落書きされる事態となった。
チャーチル元首相の像に落書き
落書きが見つかったのは6月7日、場所はロンドンの議会広場にあるウィンストン・チャーチル元首相の像だという。
その像の台座にはスプレーで「○○は人種差別主義者だった」と書かれたという。
書いた人物は人種差別への抗議デモに参加していた1人とみられているが、名前は明らかにされていない。
「彼は植民地を守るために戦っただけ」
しかし落書きした人物は、その後BBCのレポーターに対し次のように語ったという。
「僕はチャーチルの像にスプレーで描いた。なぜなら彼は凝り固まった人種差別主義者だからだ。彼はナチスの侵略から英連邦を守るために戦った。しかし彼は黒人のため、有色人種のため、あらゆる人のために戦ったわけではない。彼は完全に植民地主義のためにそれをしたのだ。他の人々は怒るだろう。でも僕たちも怒っている、長い間ずっと抑圧されてきたからだ」
一方、彼は第2次世界大戦で戦ったBAME(黒人やアジア、マイノリティの民族)の生い立ちの人々についても言及。戦争で彼らが犠牲になったことは、適切に評価されていないと主張したという。
もっともその後、この落書きは4人の陸軍士官候補生を含むボランティアの人々の手によって消されたという。
しかしこの事態に市民の多くもショックを受けており、ある人物はBBCの取材に対して「このようなことは受け入れられない」と述べている。
ただその他にもデモ参加者の一部からは、議論のある人物の像を取り除くよう呼びかけられており、今後もどのような像がターゲットになるのか予断を許さない状況だとか。
港町のブリストルでも7日に、奴隷商人の像が海へ投げ入れられる出来事があったばかり。このためロンドン警視庁は、今回のチャーチル像に落書きをした人物を特定するつもりだという。(了)
出典元:BBC:Black Lives Matter protest: Why was Churchill’s statue defaced?(6/8)