オーストラリア・シドニーの電力が、100%再生可能エネルギーとなる
オーストラリア・シドニーの都市部が、全ての電力供給を再生可能エネルギーにした。電気は国内2カ所の太陽光発電所と、1カ所の風力発電所で賄われる。
電気小売業者との契約で実現
現在すでに完了している再生可能エネルギーへの切り替えは、オーストラリアの電気小売業者「Flow Power」との契約によって実現した。Flow Powerは今後シドニー市のために、ニューサウスウェールズ州内の太陽光発電所と風力発電所から必要量の電気を買い付け、供給する。
海外メディアによれば、契約料として市はFlow Powerに6000万オーストラリアドル(約45億円)支払ったが、これから毎年50万オーストラリアドル(約3700万円)の電気代が節約できるようになるとのこと。
市の発表によれば、電力の切り替えは7月1日に行われ、人口25万人を擁する都市部のオフィスビルや図書館、公共施設、公園、プール、街灯を含めた全ての設備に、再生可能エネルギー(電力)が供給されているとのこと。
2万トンのCO2を削減
シドニーの都市部が100%再生可能エネルギーに移行したことで、毎年約2万トンのCO2排出を削減できるそう。シドニーのClover Moore市長は、この件を報じた国連のオフィシャルツイートを引用し、次のように述べている。
「世界の温室効果ガスの70パーセントは、各地の都市から排出されている。つまり、都市の管轄者がどう行動するかが極めて重要」
Seventy per cent of the world’s emissions are generated from cities, so the action city governments take is absolutely critical. https://t.co/fatMzgPATd
— Clover Moore (@CloverMoore) July 7, 2020
シドニーの都市部は、2007年にCO2排出量と吸収量がプラスマイナスゼロとなり、2011年には「カーボンニュートラル」の都市として認定された。次の目標は、2030年までに排出量を70%削減することだが、今回のことで目標達成が6年ほど早まるそうだ。
また、電力を供給するニューサウスウェールズ州の3つの発電所では、シドニー市との契約による雇用増大が見込まれており、新型コロナウイルスで停滞した経済への効果も期待されている。(了)
出典元:EuroNews:CITY OF SYDNEY NOW RUNS ON 100% RENEWABLE ENERGY(7/1)
出典元:City of Sydney News:5 things to know about our electricity deal(7/7)
出典元:Good News Network:Largest City in Australia is Now Powered By 100% Renewable Energy Thanks to Historic Deal(7/8)