中国の研究者が新型コロナ対応で武漢当局を批判「情報を隠蔽していた」
中国の研究者が今回、改めて新型コロナウイルスの蔓延について武漢市当局の対応を批判した。
「情報を隠蔽していた」
その研究者とは香港大学の微生物学者であるKwok-Yung Yuen(袁国勇)教授だ。
Yuen教授は中国において、新型コロナが拡大した初期に感染者を診断してきた人物で、彼のチームは2003年にはSARSを特定したとされている。
またYuen教授は、1月18日に武漢にある海鮮市場での調査にも協力しており、先日放送されたBBCのインタビューにおいて「地元当局が、新型コロナの感染拡大について情報を隠蔽していたと考えている」と述べたという。
中国政府も過小評価し続けた
さらに教授は、新型コロナの物理的な証拠は破壊され、当局は臨床所見への反応も遅かったとした上で、次のように述べた。
「私たちが海鮮市場に行った時、もちろん市場はすでに消毒され、そこには見るべきものはありませんでした。私たちは、ウイルスを人間に感染させる宿主を特定することはできませんでした。つまり、犯罪現場は荒らされてしまった、と言えるかもしれません」
「私は、彼ら(当局の人間)が武漢の地元で何かを隠そうとしていたことを、強く疑っています。情報を素早く回していたと思われる地元の役人は、迅速に情報を伝えることを許していませんでした」
またYuen教授は、北京政府も人間への感染の証拠があったにもかかわらず、新しい呼吸器症候群の深刻さを過小評価し続けたと述べている。
そもそも中国政府は当初、新型コロナの脅威を警告していた眼科医を厳重に注意し、情報を拡散させなかったとされている。このことで中国国内でも、感染爆発への対応を批判されてきた。
しかし、新型コロナ蔓延の深刻さについての情報を隠蔽していたとの疑いについては、今でも中国政府は否定している。(了)
出典元:BBC:China doctor accuses Wuhan officials of cover-up(7/27)
出典元:INDEPENDENT:Coronavirus: Wuhan officials tried to ‘cover up’ truth about disease, says expert(7/27)