米で新型コロナ陽性になった犬が死亡、飼い主の感染後に症状が悪化し安楽死
アメリカで、犬として最初に新型コロナウイルスへの感染が確認されたジャーマンシェパードが、先日死亡した。
最初に感染が確認された犬
そのシェパードとは、ニューヨーク市のスタテン島で暮らしていた「Buddy」だ。
7歳になる「Buddy」は4月中旬、呼吸が苦しくなる症状に見舞われた。それは飼い主のRobert Mahoneyさんが、新型コロナに感染して間もなくのことだったという。
そして7月11日、「Buddy」は死亡。7月29日にその事実が発表された。これはアメリカにおいて、犬が新型コロナで死んだと考えられる最初の例とされている。(ただし、まだ死因が新型コロナかは正式に確認されていない)
体重を落とし、無気力になっていた
「Buddy」は4月21日から5月15日にかけて、体重を落とし続け、さらに無気力な状態に陥っていたという。
その後、「Buddy」は動物病院へ運ばれ、診察の結果新型コロナへの感染が疑われたため、検査を受けたそうだ。それは症状が表れてから1カ月後のことだった。
そして検査の結果、新型コロナの陽性と判断された。診断が遅れたのは、パンデミックにより動物病院の多くが診療を中止していたこと、または動物への新型コロナの対応が追い付いていなかったことが挙げられている。
7月11日の朝、妻のAllisonさんは、キッチンで血の塊を吐き出している「Buddy」を発見。その後、動物病院へ運んだが、もはや鼻や口から血を吐き出す「Buddy」には何もしてあげることができないと考え、Robert さん夫婦は「Buddy」を安楽死させることを決断したという。
基礎疾患を持っていた可能性
医療記録によれば、「Buddy」はガンの一種である「リンパ腫」にかかっていた可能性が示されている。
ただし、ガンが新型コロナに感染しやすくさせていたのか、または新型コロナウイルスによって「Buddy」が死んだのか、さらに時間的に偶然の一致だったのかは分かっていない。
アメリカでは現在、25匹弱のペット(犬や猫)が新型コロナの検査で陽性となっており、「Buddy」はそのうちの1頭だったという。
新型コロナのペットへの影響は軽いとする報告があるが、まだ分かっていないことが多い。世界保健機関(WHO)も公式見解で、ペットから飼い主への新型コロナウイルスの伝染はあまり多くはないとしている。しかし、より詳しい研究が必要だと訴える研究者もいるようだ。
人間でも基礎疾患がある方は重症になりやすいとも言われているため、高齢や病気を抱えたペットを飼っている方は、注意された方がいいのかもしれない。(了)
出典元:NYPost:Staten Island dog, first to test positive for COVID-19 in US, dies(7/29)
出典元: National Geographic:Exclusive: Buddy, first dog to test positive for COVID-19 in the U.S., has died(7/29)