オランダで不治の病に冒された12歳以下の子供にも安楽死を許可
オランダ政府は、不治の病に冒された子供の末期患者にも「安楽死」を認める方針を明らかにした。
1歳から12歳までの子供に「安楽死」
10月13日、オランダ政府は、1歳から12歳の末期の子供たちにも安楽死を認める計画を承認した。
保健省のHugo de Jonge大臣は、安楽死を認めるよう規則を変えることは、これらの子供たちの「絶望的かつ耐え難い苦しみ」を防ぐことにあると語ったという。
現在、オランダでは本人と両親の同意があれば、12歳より年齢が上の人に対して、安楽死させることが合法的に認められている。
また1歳までの赤ちゃんに対しても、両親の同意があれば安楽死させることができるそうだ。しかしこれまでは1歳から12歳までの子供には、適用できる規則がなかったと言われている。
激しい論争が巻き起こる
この決定は、連立政権を組んでいる4つの政党の間で、数カ月に及ぶ議論の末に行われたが、無論それまでは激しい論争を巻き起こしたという。
特に保守的なキリスト教系の政党からは激しい反対意見が寄せられたとか。
しかし今回、政府による計画の承認に基づき、新しい規則が起草されることになるようだ。Jonge大臣は議会に対し次のように語っている。
「専門家による研究では、医者や治る見込みのない病気の子供をもつ親と医師の間には、積極的な安楽死の必要性があることが示されています」
この改正によって、1年間で5人から10人の子供たちが適用される可能性があるそうだ。また12歳以上の子供と同様に、それ以下の「安楽死」でも保護者の同意や、少なくとも2人の医師がその手順に同意しなければならない。
そしてこの規則は数カ月後には施行されるという。
オランダでは2002年から安楽死や「自殺幇助」が合法となっており、それから数カ月後にはベルギーも合法化されたと言われている。そしてこの2カ国は厳しい条件の下で、世界で初めて、安楽死を合法にした国になっているそうだ。(了)
出典元:BBC:Netherlands backs euthanasia for terminally ill children under-12(10/14)
出典元:The Guardian:Dutch government backs euthanasia for under-12s(10/14)