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ドイツで初の“ビーガン幼稚園”を計画、注目を集めるも虐待との批判も

ドイツで初の“ビーガン幼稚園”を計画、注目を集めるも虐待との批判も

ドイツに初の“ビーガン幼稚園”が誕生するとして注目を集めている。

 

幼稚園ではビーガンの食事のみを提供

 

今年8月、ドイツ初の“ビーガン幼稚園”としてフランクフルトに誕生する予定となっているのは、「Mokita Kindergarten」。

 

この幼稚園では、園児に動物由来の食材を一切使用しない、“ビーガン”の食事のみを提供するとしている。

 

またこちらでは開園時には40人の子供を迎え入れる予定だという。

 

政治家からは“虐待”であるとの声も

 

しかし幼い子供に“ビーガン”の食事のみを与えるという幼稚園の教育方針は、先進的であるとして支持を受ける一方、このような方針は虐待であるとして、幼稚園は強い批判にも晒されている。

 

ドイツの自由民主党に属するStefan von Wangenheim氏によれば、幼稚園の方針については専門家も“身体的虐待”だと指摘しているという。

 

さらに「もし親が子供をファーストフードのみ提供する幼稚園に送ろうとしているなら、それはビーガンの幼稚園に送るのと同じくらい危険なことだ」としている。

 

またこの幼稚園に関しては、環境政策を重視する「緑の党」ですらも問題視。

 

同党に所属するBirgit Ross氏は「これについて耳にした時、心臓発作を起こしそうになった」と“ビーガン幼稚園”開設に強い衝撃を受けたことを伝えている。

 

 

栄養専門家からも疑問視する声

 

一方、この幼稚園は政治家のみならず栄養専門家からも問題視されている。

 

ドイツ栄養学会(DGE)のスポークスマンは「我々はこれについて非常に懐疑的だ」と述べる。

 

「我々は根本的に幼い子供をビーガンとして育てるよう子供の親に勧めていないわけではないが、そのためには多くの知識と栄養補助食品の使用が必要とされる」

 

DGEは2016年に発表した方針説明書において、“純粋な植物由来の食事のみでは、適切な量の栄養を摂取することは非常に困難か不可能だ”と明言。

 

さらに妊婦や授乳中の女性、幼児から青年期の子供に対しては、ビーガンの食事は勧められないともし、それでもビーガンの食事を採りたいのであれば“ビタミンB12のサプリメントを摂り続けるとともに、必須栄養素をはじめとする適切な栄養を摂るよう心掛け、栄養補強食品やサプリメントを使用しなければならない”としている。

幼稚園の動向にはフランクフルト行政も注視

 

このような数多くの批判に対し、開設を許可したフランクフルトの行政機関は幼稚園の動向を見守っていくとしている。

 

フランクフルトの教育を管轄する部門のスポークスマンは、Mokita Kindergartenの園児は子供をビーガンとして育てることの影響について情報を得るための科学研究の一部になるとする。

 

また園児たちは定期的に医師の診察を受け、何か問題が発生すればフランクフルトの行政機関が介入するとしている。

 

 

欧米で近年増えつつあるビーガン。しかし植物由来の食事のみを摂取するか否かというのは本人が決めることであって、幼い子供にそれを押し付けるのはいかがなものだろうか、と思ってしまう。(了)

 

出典:The Local Germany:Germany’s first vegan kindergarten: progressive education or physical abuse?(3/14)

出典:Plant Based News:Politician Labels Vegan German Kindergarten ‘A Form Of Physical Abuse’(3/15)

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