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仕事場へ近道したい中国の男女、万里の長城を一部切り崩す

仕事場へ近道したい中国の男女、万里の長城を一部切り崩す
ウィキメディア・コモンズ/万里の長城

土木工事用のショベルカーを使って、万里の長城の一部を崩した2人の中国人が、当局に逮捕された。

 

明時代に建設された部分

 

2人が壊したのは、中国山西省右玉県にある第32長城と呼ばれる部分。8月24日に、大きな破損が発見され、地元警察に報告があった。

 

第32長城は、万里の長城の中でも明時代に建設された部分で、狼煙などを焚くための32番目の塔があることから「第32」と命名されているそう。メディアによると、明王朝の時代(1368年-1644年)に作られた部分の全ては残っておらず、第32長城は現存する部分のうちの一つであるとのことだ。

 

工事現場に行くための近道を作った

 

犯人はZhengという男(38才)とWangという女(55才)の2人。24日に長城の破損の報告を受けた警察は、現場にあった車両の通り跡をたどり、隣接するモンゴル自治区ホリンゴル県で、2人とショベルカーを発見した。

 

取り調べの結果、長城を壊した理由が分かった。供述によれば、モンゴル自治区側に住む2人は、長城を隔てた中国山西省側の建設現場で働いており、そこに行く時間を節約するのが目的だったとのこと。

 

長城のその部分には元々狭い隙間があり、2人はショベルカーでその隙間を広げ、ショベルカー1台が通れる幅道にしたという。

 

政府当局は、長城の損傷の程度などについて、さらに詳しい調査を進めている。

 

山西省文化遺産局は、2人の行為について、万里の長城そのものと文化遺産の安全性に対する「取り返しのつかない」ダメージを与えたとコメントした。

 

万里の長城はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。秦の始皇帝によって建設され、その後いくつかの王朝によって修築や移転が繰り返された。北方の遊民族が侵攻してくるのを防ぐのが建設の目的だった。現存する「万里の長城」の大部分は明時代に作られたものだそう。(了)

 

出典元:Global Times:Two individuals detained for ‘cutting off’ Great Wall(9/4)
出典元:China Daily:Excavator used to damage section of Great Wall, two people detained(9/4)
出典元:Wikipedia:万里の長城

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