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「酸素が欲しい」とツイートしただけで男性を起訴、デマを拡散した容疑:インド

「酸素が欲しい」とツイートしただけで男性を起訴、デマを拡散した容疑:インド
Twitter/Parkash Meghwar

新型コロナウイルスが猛威を奮っているインドで、男性があるツイートをしただけで、起訴されることになり、議論を呼んでいる。

 

祖父が苦しんでいたため投稿

 

インドでは新型コロナに感染する人が急増しており、医療用の酸素も不足しているため、患者の家族たちはそれを求めているという。

 

そしてウッタル・プラデーシュ州に住む男性・Shashank Yadavさんも祖父が新型コロナで苦しんでいたため、4月26日に「酸素シリンダーを必要としています、できるだけ早く」とツイッターに投稿した。

 

その投稿はやがて彼の友人によってリツイートされ、また友人がジャーナリストとコンタクトをとり、さらに拡散していったそうだ。

 

しかし、その後の警察は、「恐怖や不安を与える目的で、酸素が不足しているとの噂を拡散させた」として、Yadavさんを起訴した。

 

批判を浴びていた州知事

 

ウッタル・プラデーシュ州は、新型コロナの最も被害の大きい州の1つで、Yogi Adityanath州首相はウイルスによる危機を軽視していたと非難されているという。(Yogi Adityanath州首相は右派で、モディ首相と協力関係にある)

 

そしてAdityanath州首相は今週初め、噂やプロパガンダを流す者の財産を差し押さえるよう要求。さらにウッタル・プラデーシュ州では、どの病院も酸素が不足していないと説明した。

 

またAmethi市の警察も、Yadavさんの「虚偽の投稿」が、人々に州政府に対する疑いを抱かせたとして、27日に彼を刑事告発したそうだ。しかし実際にウッタル・プラデーシュ州では、新型コロナの影響で医療システムが逼迫しているという。

 

政府に批判的な投稿を非表示

 

実は、インドでは新型コロナが感染爆発し、人々が政府への批判を強めている。そのため政府は先日、ツイッター社に対して政府への批判的な投稿を表示させないよう要望しており、同社もその要請に応えたそうだ。

 

しかもYadavさんは投稿の中で、「新型コロナ」という言葉に言及していなかったにもかかわらず、起訴され、今後は刑務所に収監される可能性もあると言われている。

 

このような動きは、最近の市民的自由や言論の自由への侵食を反映しているとして、批判が寄せられているという。

 

Yadavさんの祖父は結局、26日の夜に死亡。警察は祖父が新型コロナに感染しておらず、心臓発作で死亡したとみなしたが、本当の死因は不透明なままとなっている。(了)

 

 

出典元:BBC:India coronavirus: Man charged over oxygen SOS for dying grandfather(4/28)

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