「Facebookで何か読んだって?」デマを信じる人々に向けた医師から痛烈なメッセージ
すでに1年以上も人々の生活を制限している新型コロナウィルス。ワクチン接種を心待ちにしている人もいれば、不安に感じている人もいることだろう。
アメリカでは、ワクチンを接種するつもりがない人々が26%にものぼると言われている。その中には、SNS上にはびこるデマを信じてしまっている人も少なくはない。この現状を踏まえ、アメリカの人気コメディ番組「ジミー・キンメル・ライブ」は5月5日、力強いメッセージを笑いと共にお届けした。
ワクチン接種に関する医療従事者の声を紹介
まずはこちらの動画を見てもらいたい。
動画に登場するのは、6人の医師と看護師だ。彼らはいかに長い間勉強をしたうえで、医療従事者としての経験を重ねているのかを説明。53歳の医師からは、「学費のローンを引退するまで払い終わらない」と、時間だけではなくお金もかかる職業であることが語られた。
職につくまでの苦労を考えると、「あなたの内臓の名前と機能をすべて説明できる」「人間には205の骨があるって知っているか? 知っているなら間違いだ。実際は206だからね」との知識マウントともとれる発言が飛び出すのも当然だ。
医療従事者あるある
続いて、語られたのは「医療従事者あるある」だ。
▼「胸を開けて手で心臓を動かしたこともある」
▼「車の後部座席で赤ちゃんを取り上げたこともある」
▼「パーティで皮膚にできた変なものを見せられて、死ぬんじゃないかって聞かれたことがあるか?」
▼「めっちゃある」
なぜ彼らは苦労の多い医師や看護師という職業を続けているのだろうか。ひとりは「私の人生は、皆さんの命を助け、改善するために費やしてきた」と、そのやりがいを語った。
医療従事者から噴き出す怒りの数々
そして、デマに踊らされて反ワクチンを唱えている人々へのメッセージがこちらだ。
▼「で、Facebookで何か読んだって?」
▼「高校の時の友達で、宝石を売っている人が投稿したの?」
▼「53歳でまだ人形の家で遊んでいる人?」
▼「その人は医師なの? 違う? 科学者? 違う?」
▼「そいつは、ワクチンの成分をひとつでも言えるの?」
▼「なら黙っているように言って」
ワクチンを打て!
最後に医療従事者たちが口をそろえて言ったのが「ワクチンを打て!」だ。最後には、「私たちよりも賢い人々からお届けしました」との文章が表示された。
ワクチン接種に関して、きれいごとの一切ないメッセージだ。
WHOは1月7日に、集団免疫を獲得するには正確にはわからないものの、人口の70%以上がワクチンを接種する必要があるという見解を示している。既往症などが原因でワクチン接種を希望してもできない人がいることを考えると、26%もの人が反ワクチンを表明しているというのは、深刻な事態だといえるだろう。
同日の放送でインタビューに答えた国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、「SNS上にある情報から、人々がデマと大切なものを見分けられないのが問題だ」とコメントしている。
ネット上のデマを信じて反ワクチンを主張している人々に、この動画のメッセージが届くことを祈るばかりだ。(了)
参考:NHK「ワクチンQ&A集団免疫とは?」(1/12)