ドイツのサッカースタジアムがUEFAの命令を無視、レインボーカラーをライトアップ
先日、UEFA(欧州サッカー連盟)は、欧州選手権の試合において、ドイツのサッカースタジアムがLGBTQの象徴であるレインボーカラーをライトアップするのを禁止した。
しかしスタジアム側はその命令を無視。堂々と鮮やかな虹色の照明を点灯させたという。
ハンガリーのLGBTQの人々との連帯を示すため
そのスタジアムとは、ミュンヘンにある「Allianz Arena」だ。
実はハンガリーのビクトール・オルバン政権は今月中旬、18歳未満に対し同性愛や性転換を描写した学校教材や映画、広告などの未成年向けコンテンツを、違法と見なす法案を賛成多数で可決したという。
この動きはヨーロッパ各国から非難を浴び、ミュンヘン市も、ドイツとハンガリーとの試合が行われる「Allianz Arena」をレインボーカラーで染め、ハンガリーのLGBTQの人々との連帯を目に見える形で示そうと提案。
しかしUEFAは「われわれは政治的、宗教的に中立な組織だ」とした上で、「ハンガリー議会に対するメッセージという、この要求の政治的な背景を考慮すると拒否せざるを得ない」と判断し、ライトアップを禁止したという。
In sports & in life, diversity makes a team stronger. While we are not able change the lights at the #AllianzArena this week, we hear you & we stand firm in our commitment to support the LGBTQIA community. This week, this month & all year round. The arena turns 🌈again this July! pic.twitter.com/e7sC6xICEV
— Allianz (@Allianz) June 22, 2021
ハンガリーはこの決断を歓迎、しかし…
このUEFAの決定を、ハンガリー政府は歓迎。ミュンヘン市の「挑発」に対抗する姿勢を示したことを称賛したという。
しかしドイツの外務大臣は、UEFAの決定が「間違ったシグナル」を送っていると批判。
またミュンヘンのDieter Reiter市長も、「コスモポリタニズム、寛容、尊敬、LGBTコミュニティの人々との連帯を示すサインを送ることをUEFAが禁じているのは恥ずかしいことだ」と述べた。
そして6月23日、「Allianz Arena」はUEFAの命令を堂々と無視し、スタジアム全体を明るいレインボーカラーでライトアップさせた。
After Hungary introduced a cruel new anti LGBTQ+ propaganda law which bans any discussion in schools and in the media, Munich councillors have requested to light up the city’s arena with the #Pride flag for Germany’s match against Hungary on Wednesday #AllianzArena #EURO2020 pic.twitter.com/P9fNIyBeya
— Tom Knight (@TJ_Knight) June 20, 2021
またドイツ国内の他の会場でも、グループリーグ最終戦の試合が引き分けに終わり、ハンガリーが大会から脱落したことを受けて、禁止令に反してプライドカラーでライトアップしたという。
ハンガリーのオルバン首相は極右の出身で、移民問題から報道の自由、LGBTQの権利など様々な問題に対する強権的な姿勢をとっており、各国から批判が集まっている。
(了)
出典元:METRO:German football stadiums defy UEFA by lighting up with pride colours(6/24)