【新型コロナ】「新たな波が起きる条件が揃っている」WHOが警鐘を鳴らす
WHO(世界保健機関)がヨーロッパ諸国に警告を発している。ここで気を緩めると、今年の秋までには新型コロナウイルス感染症の新たな波に見舞われるという。
新たな波の可能性がうかがえる
WHOの欧州地域事務局長を務めるHans Kluge医師は、今月1日の記者会見でヨーロッパ諸国へ警告を発し、次のように述べた。
「医療体制の逼迫と死者の大幅な増加、その新たな波が今年の秋以前に起こるための3つの条件が、現在揃っている状況だ」
3つの条件とは、
「新しい変異株、ワクチン接種の停滞、社会的交流の増加。私たち皆がこれまで通りに行動を自制して行かないと、ヨーロッパ地域で新たな波が起こるだろう。守るべきルールが少なくなれば、その可能性はさらに高まる。また、私たちがワクチンの接種をためらっていれば、ますますそうなるだろう」
国連によれば、先週までヨーロッパ53カ国で感染者数は減少していたが、規制の緩和や、社会交流、旅行、集会などの活発化により、その後感染者数は10%増加。Kluge医師はこれについて、次のようにコメントしている。
「この数字を見たところ、どの地域でもパンデミックは終わっていない。それを終わったと思い込むのは、一般市民にとっても政治家にとっても、非常に良くないことだろう」
ワクチン接種がデルタ株蔓延に追いつかない
「ヨーロッパでは8月までに、ほとんどがデルタ株になるだろう。しかし、8月までにワクチン接種は完了しておらず、しかも規制はほぼない状態で、旅行や人の集まりが増えると見ていい」こう言うKluge医師は、ワクチンに期待しながらも、接種の遅れを心配しているようだ。
ワクチンはデルタ株にも有効、とWHOは強調している。ただ、効力を発揮するには2度目の接種を終わらせなければならない。
ヨーロッパ地域でのワクチンの平均接種率は24%。一方、WHOが必要と考える接種率は成人人口の80%だそう。現在の接種率は「とても受け入れることができない」とKluge医師は言っている。
新しい変異株、ワクチン接種の停滞、社会的交流の増加——新たな波を生む3条件は、現在の日本にも当てはまるのではないだろうか。(了)
出典元:United Nations:WHO warns of risk of a new COVID-19 wave(7/1)
出典元:Metro:WHO warns of new Covid wave in Europe as cases surge by 10%(7/1)