日産自動車は、新車の匂いの調香師を雇っている
納車されたばかりの新車は、独特な匂いがする。それが嫌いという人もいるが、逆に「好き」という人も少なくない。
この新車の匂いをチェックする専門要員が、日産自動車のヨーロッパの事業所で働いているのをご存知だろうか。合成樹脂やゴム素材、接着剤の匂いを嗅ぎ分け、それらが混ざり合った新車の匂いを完璧なものにする、いわば調香師のような存在だ。
人並み外れた嗅覚
「日産の鼻(Nose of Nissan)」という異名を持つPeter Karl Eastlandさんは、イギリス・ベッドフォードシャー州にある欧州日産テクニカルセンターで、SUV「キャシュカイ(QASHQAI)の次期モデルの匂いに取り組んでいる。
ハンドル、ダッシュボード、シート……車内のあらゆる素材やそれに使われている化学物質を、彼と彼のチームが鼻でチェックし、新車の匂いが理想的になるようにしているという。
Eastlandさんはイギリス・レスター大学で化学と科学捜査(法科学)を学んでいるが、その知識に加え、特別に鋭敏な嗅覚の持ち主でもある。鼻の良さは生まれつきらしく、海外メディアにこう話している。
「子供の頃、お菓子やチップスやドリンクなどを匂いで当てる遊びを仲間とやっていましたが、僕は有名ブランドとストアブランドの違いまでわかりました」
欧州日産の公式YouTubeチャンネルに、彼を紹介する動画が掲載されている。その中で彼は、自分の特殊な仕事についてこう言う。
「可笑しいことでしょうけど、こんな仕事が存在するとは思っていない人もいます。私がそういう人たちに仕事内容を説明すると、頭がちょっと混乱してしまうようですね」
匂いはカーオーナーと車との感情的結びつき
それにしても、新車の匂いはそれほど大事なものなのだろうか? Eastlandさんは海外メディアにこう話す。
「新車と、それを購入したオーナーとの、感情的な結びつき。全てはそのためなのです。匂いは感情的な結びつき(を作るうえ)で、重要な役割を果たします」
自動車業界は、性能だけでなく、感情レベルで競争する時代に入っているようだ。(了)
出典元:Good News Network:This Nissan Worker With ‘Enhanced Senses’ Has a Job to Ensure the Perfect ‘New Car Smell’(9/20)
出典元:PHILKOTSE.COM:Meet the man responsible for achieving Nissan’s new car smell(9/16)