フェイスブック元社員の内部告発を受け、オハイオ州がMETAを訴える
オハイオ州がMETA(旧・フェイスブック)を裁判で訴えることになり、今後の動向が注目を集めている。
「なんの努力もしてこなかった」
フェイスブックについては先日、元社員の女性、Frances Haugenさんの証言がメディアや議会などでも取り上げられた。
Haugenさんは大量のフェイスブックの内部文書を公表。これまで引き起こされた多くの被害について、フェイスブックによる共謀があったことを暴露した。
またHaugenさんは、米メディアの「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューや他のメディアを通じて、フェイスブックの経営陣がユーザーを守るために、あるいは自らのルールを守るために、ほとんど何も努力していなかったことを明らかにした。
この証言を受け、オハイオ州のDave Yost司法長官は、市民を代表してカリフォルニア州北部地区の裁判所に対し、METAの最高責任者であるマーク・ザッカーバーグ氏を訴えた。
内部告発者の報道で株価も下落
Haugenさんに内部告発の報道により、フェイスブックに対する信頼をさらに低下し、経済的な影響をもたらしたと言われている。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」が暴露記事を掲載した9月13日から10月21日の間に、「フェイスブックの株価は1株あたり54.08ドル(14%以上)下落した」とオハイオ州の訴訟では述べられているという。
今回訴えを起こしたYost司法長官は、フェイスブックの投資家と、フェイスブック株の下落で影響を受けた公的年金基金であるオハイオ州公務員退職年金制度を代表して訴訟を起こしたそうだ。
違法行為、過激主義の助長
訴訟ではホーゲン氏の証言をもとに、フェイスブックが自社のプラットフォームにおいて「意見対立、違法行為、暴力的過激主義を助長し、ユーザー、特に子どもたちに重大な被害をもたらす」ことを知りながら、意味のある軌道修正を拒んだと主張している。
訴状には「この問題は、企業が利益を追求するために、世界中の子どもたちを含む最も弱い立場にあるユーザーを故意に利用した、フェイスブックの甚だしい背信行為から生じている」と書かれているそうだ。
Yost司法長官も、フェイスブックが「利益のために不幸と分裂を生み出している」と非難。さらに故意に世間を欺いて連邦証券法に違反したと主張し、次のように述べている。
「フェイスブックは、子供たちを見守り、ネット上の荒らしを排除すると言っていましたが、実際には利益のために不幸と分裂を生み出していました。マーク・ザッカーバーグにとって私たちは人間ではなく、商品であり、欲のために互いに利用されているのです」
一方、フェイスブックの広報担当者は、この訴訟は「メリットがない」とし、同社は争うつもりだと述べている。(了)
出典元:The Guardian:‘An egregious breach of public trust’: Ohio sues Meta over whistleblower revelations(11/16)