Switch news

知っておきたい世界のニュース

「アストラゼネカ」などが開発した新型コロナの新薬、今月から治験を開始

「アストラゼネカ」などが開発した新型コロナの新薬、今月から治験を開始
AC

イギリスでは現在、新型コロナウイルスの発症を食い止める、新しい薬の開発が行われ、まもなく臨床試験が開始される。

 

「抗体カクテル」で素早く免疫を作り出す

 

この薬を開発したのは大学病院の「University College London Hospitals NHS trust (UCLH)」や、オックスフォード大などと共同で新型コロナワクチンを開発した医薬品メーカー「アストラゼネカ」だ。

 

この薬は「抗体カクテル」と呼ばれるもので、新型コロナに対する免疫を素早く作りだし、発症を食い止めることを目的としているという。

 

そのため病院の入院患者や介護施設の入居者に緊急に使用され、新型コロナのアウトブレイク(大発生)を食い止めるのに役立つ、抗体療法として使われるそうだ。

 

また家族から感染者が出た場合など、同居する人が感染しないために投与することもあるとしている。そして友人らと過ごす機会の多い、大学生にも与えられる可能性があるとか。

 

今月から被験者に投与を開始

 

この研究は「ストーム・チェイサー」と呼ばれ、臨床試験はこれから、UCLHやイギリスの他の病院、または世界の10地点で行われる予定で、今月にはUCLHでも被験者に投与されるそうだ。

 

また開発に携わったUCLHのCatherine Houlihan医師によれば、すでにこの薬は、自宅や医療施設、学生寮などで新型コロナに感染した、10人の医療スタッフや学生などにも投与されており、現在彼らのうちの誰にCovid19が進行するか、経過を見守っているという。

 

研究チームは臨床試験において、6カ月から12カ月の間、この薬が新型コロナから人々を守ることが示されることを願っており、Houlihan医師も次のように語っている。

 

「もしこの治療が機能することを証明でき、ウイルスにさらされた人々のCovid-19の進行を食い止めることができれば、恐ろしいウイルスと闘うために開発された武器の倉庫に加えられることになるでしょう」

 

ワクチンを打っても1カ月間は抗体ができない

 

また治験が終わり、規制当局によって使用が承認されれば、この薬は来年の3月や4月にも利用できる可能性があるという。

 

ファイザーやオックスフォード大のワクチンは、約4週間空けて2回投与する必要があり、その間には抗体ができないが、この新しい薬はすぐに抗体を生み出す可能性があるそうだ。

 

そのため全員がワクチン接種を受けられる来年の夏まで、ウイルスの影響を減らすのに重要な役割を果たす可能性があると言われている。(了)

 

出典元:The Guardian:UK scientists trial drug to prevent infection that leads to Covid(12/25)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top