フランスで1日の新規陽性者が10万人を越える、入院患者も倍増
フランスで新型コロナウイルスの陽性者が、1日で10万人を越える事態となり、今後の政府の対応に注目が集まっている。
この1カ月で入院患者も倍増
フランスでは12月25日、新型コロナの1日の新規陽性者が10万人を越え、またこの1カ月で入院する患者数も倍増した。
地域の保健サービスによれば、過去1週間で、パリでは100人に1人が新型コロナの陽性と判定されたという。
新たな陽性者は、今後優勢になるであろう「オミクロン株」と関連していたとみられている。
先週、1000人が死亡
一方で、入院患者の方も、「デルタ株」の感染者が急増したため増えており、クリスマス休暇には集中治療室に負担が重くのしかかっているそうだ。
フランスでは先週、1000人以上が新型コロナで死亡しており、国全体の累計の死者数は12万2000人以上になる。
エマニュエル・マクロン大統領は、12月27日に緊急会議を開催し、新型コロナ対策の次のステップを議論しているという。
ワクチン接種で対抗か
科学者や教育関係者の中には、休暇明けの学校の開校を遅らせたり、夜間外出禁止令を再び発令したりすることを提案する人もいるようだ。
しかしフランスの教育大臣は、学校は来年の1月3日には通常通り開校するべきだとしており、他の政府関係者も、国の経済回復に打撃を与えるような措置は避けるよう努力しているという。
その代わり、フランス政府はワクチン接種を進めたいと考えている。現在、フランス政府は、陰性検査や回復証明を提出できる現行のヘルスパス制度の代わりに、すべてのレストランや多くの公共施設に入るために予防接種を義務づける法律案を推進している。
ベルギー、オランダの状況・対応とは?
一方、隣国のベルギーでは、政府が12月26日から、映画館やコンサートホールなどの文化施設に閉鎖を命じる新たな措置を取ったという。
この措置に対し、一部の施設はこの禁止令に反対し、12月26日には数千人の演奏家、イベント主催者などが「The Show Must Go On(ショーは続けられなければならない)」あるいは「No Culture No Future(文化がなければ、未来はない)」と書かれたプラカードを持ってブリュッセルでデモを行ったそうだ。
オランダでは、政府が他のヨーロッパ諸国よりもさらに踏み込んで、必要不可欠ではない店舗、例えばレストラン、バーをすべて閉鎖。学校の休暇も延長して、新たなロックダウンを部分的に実施した。
イギリスでは12月24日に、1日の新規陽性者が12万2186人と過去最高を記録。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでは12月26日から、人々が集まる際の人数制限や一定の距離を保つよう制限を課したという。
これによりレストランやパブ、ナイトクラブなどには大きな影響があると考えられている。(了)
出典元:ABC News:France sees over 100,000 daily virus infections for 1st time(12/27)