ウクライナで死亡したロシア兵は最大2万人の可能性、西側当局が発表
ウクライナでのロシア兵の犠牲者に関する、西側当局の最新評価が発表された。
1万5000人から2万人の間
それによれば、ウクライナへ侵攻して以来、ロシア兵の犠牲者が2万人に達した可能性があるという。
発表した西側の高官は名前を伏せており、また死傷者数についてより正確に述べることは困難であると強調した上で、次のように述べている。
「ロシアの死者数について、我々の数字は1万5000人から2万人の間となっている。これは、我々が以前話していた1万5000人を超えるという数字からの変更となる。両陣営は100日以上にわたって、大きな死傷者を伴う激しい戦闘を続けている。もちろん、士気の問題にも直面するだろう。しかし、ウクライナ人は祖国のために戦っており、大部分はしっかりとした防御態勢をとっているので、その点ではロシア人よりも有利だ」
砲撃の下で市街戦が行われる
一方、ウクライナ軍司令官は、東部前線の重要都市・セベロドネツクでの戦闘は現在、一軒一軒を巡って行われていると述べている。
スヴォボダ(Svoboda)国防大隊のPetro Kuzyk司令官は、ウクライナ東部の都市での市街戦は、双方の軍隊を危険にさらすロシアの激しい砲撃の下で行われていると語ったという。
ただセベロドネツク市のオレクサンドル・ストリュク市長は、「困難だが制御可能な状況」だと述べている。
南部や北東部でウクライナ軍が奪還
またウクライナ国防省は、南部のヘルソン地域での反攻で、ウクライナ軍がロシア軍から領土を奪還したと主張している。
ロシア軍は「人員と装備の損失を被った」とし、押し戻された際に地雷を敷設し、ウクライナ軍に対するバリケードを築いたと主張した。
さらにゼレンスキー大統領は6月9日、南部のザポリージャ地方でウクライナ軍がロシア軍の進攻を何とか阻止していると述べたという。
また大統領はビデオ演説において、ウクライナ北東部のハルキウでも、ウクライナ軍が徐々に前進し、「我々の土地を解放している」と語った。
ロシアが侵攻前より多くの収益を得る
ただし、ロシアへの制裁に関しては、効果が発揮されていないとの意見も出ている。
アメリカ・エネルギー安全保障特使のアモス・ホクスタイン氏は上院の公聴会で、ロシアはウクライナ侵攻前よりも、現在の方が化石燃料の販売から多くの収益を得ている可能性があると語ったという。
これは世界的な原油価格の上昇が、輸入禁止の影響を相殺したことが原因とみられている。
そしてロシアは、他の産地の石油よりも安く提供することで、中国やインドを含む他の買い手に、より多くの石油(積み荷)を販売することができたと、ホクスタイン氏は語っている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: fierce fighting in Sievierodonetsk; UK ‘deeply concerned’ by death sentences for Britons in Donetsk – live(6/9)