韓国自動車メーカーの部品工場で児童労働疑惑、会社側は「故意」であることを否定
アメリカにある部品工場が、移民の子供を労働力として使っていたと報じられている。
12歳の子供を含む未成年者を雇用か
その工場とはアラバマ州の町、ルバーンにある企業「SMART Alabama LLC」のもの。
この工場では、アメリカで生産されている韓国の自動車メーカー「現代自動車」の部品を製造し、供給しているという。
しかし先日、「SMART Alabama LLC」が、12歳の子供を含む未成年者を雇用し、働かせていた疑惑が持ち上がったそうだ。
Exclusive: Hyundai subsidiary has used child labor at Alabama factory https://t.co/T7xF7bxLUp pic.twitter.com/ia2n3cyF2W
— Reuters U.S. News (@ReutersUS) July 22, 2022
「知りながら」雇用していたことを否定
この問題に関し、「SMART」社はその後、児童の雇用を否定しなかったが、代わりに、雇われる資格のない人を「知りながら」雇用したという、いかなる疑惑も否定している。
また同社は、児童労働の問題については、工場で従業員を雇う時に使っていた外部の派遣会社のせいだとし、非難しているとか。
この工場では「現代自動車」の人気車種「エラントラ」「ソナタ」「サンタフェ」の部品を製造・供給しており、この3車種は、アメリカにおける同社の全販売台数の37%を占めている。
父親も働かせていたことを認める
そもそも児童労働の疑惑は、エンタープライズという小さな町で、13歳の少女が行方不明になったことから明るみに出たという。
この少女は現在、14歳になっているが、グアテマラから出稼ぎに来ており、アンバーアラート(誘拐警報)が発令された後、最終的に発見されたそうだ。
少女は、グアテマラからの移民の父親、Pedro Tziさんの娘とされ、彼女と2人の兄弟(1人は12歳、もう1人は15歳)は、いずれも以前は工場で雇用されており、学校には行っていなかったという。
Tziさんは「家族が少しでもお金を必要としていたから、子どもたちは働いていた。子どもたちをSMARTで働かせたことを後悔している。もう、すべて終わったことだ。子供たちは今は働いていないし、秋には学校に行くだろう」と述べている。
少女らは未成年労働者のごく一部
ただし、工場の現・元従業員12人への聞き取り調査によると、少女とその兄弟はSMART社で雇用されていた未成年労働者のごく一部に過ぎないという。
実際に匿名の従業員は、工場で働く未成年の子供が、少なくとも50人以上いると語ったそうだ。
「SMART」社は、少女の失踪が地元で報道された後、未成年労働者の解雇を始めており、すでに労働安全衛生局に数万ドルの罰金を支払ったという。(了)
出典元:METRO:‘Child labor used by factory supplying parts for Hyundai cars’(7/22)