南部へルソンでロシア軍に大きな損失、ウクライナ軍が主張
ウクライナ側は、今週の初めに開始した南部での反攻作戦により、ロシア側に大きな損失が出ていると主張している。
「敵の兵站や輸送網が弱体化」
ウクライナ南部軍司令部の報道官によると、ウクライナ軍のヘルソン地域における作戦の成功は「かなり確信がある」とし、次のように述べたという。
「敵(ロシア軍)はかなり大きな損失を被っている。兵力の損失は数十人から数百人になった。装備も燃えている。我々は、敵の兵站や能力を破壊し続けている。弾薬庫が爆発し、ポンツーン(橋)が爆発している。つまり敵の兵站(補給)や輸送網が弱体化し、予備兵力を調達できないほどになっているということだ」
実際にウクライナ軍は、ロシア側にあるフェリー乗り場を含むさまざまな目標を攻撃したそうだ。その上で報道官は、さらに「ポジティブなニュース」が「非常に近いうちに」続くだろうと述べている。
西側「判断は時期尚早」
一方、ロシア側は、ウクライナの作戦の進展に関する報道を否定し、自軍がウクライナ軍を撃退したと発表している。
また西側当局は、ウクライナ軍はヘルソン周辺のいくつかの地点でロシア軍を押し返したとの見方を示した。
西側の当局者は、南部地域のポケット(ドニエプル川の西岸に取り残された地域のことか?)に約2万人のロシア兵が孤立していると推定している。
ただし、ウクライナの反撃が機能しているかどうかを判断するには「時期尚早だ」とも述べたという。
ロシア産石油に価格上限を設定
2日に開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議では、ロシアの石油に価格上限を設ける「プライス・キャップ」を設定する方針で合意したという。
プライス・キャップとは、価格に上限を設け、一定の価格以上の製品(石油)を買わない、買わせない制度のことだ。
ロシア産の石油にプライス・キャップ(上限)を設けることで、ロシアの石油収入を減らし、同時に各国のエネルギー供給を確保する狙いがある。
G7の財務相会議も声明で、この措置は「ロシアの侵略戦争の資金調達能力を低下させるためのものだ」と述べ、「この措置を完結させ、実施に緊急に取り組む」と述べた。
ただし実施は12月になるとみられ、具体的な価格も決まっておらず、計画の詳細は明らかにされなかった。
このG7の発表に先立ち、ロシア側は石油輸出に価格上限を課すことは、ロシアの報復を誘発すると警告。
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、G7首脳がロシアの石油に価格上限を課すことを決定した場合、世界の石油市場の著しい不安定化につながると述べている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Russia says gas pipeline suspended indefinitely; G7 nations agree price cap for Russian oil – as it happened(9/2)