ロシアが国外脱出を防ぐため国境に検問所を設置、欧米は自国民に出国を促す
ロシア政府は、動員回避をする若者らの出国を止めるための措置に踏み切ったという。
動員逃れを防ぐための検問所を設置
ロシア当局によると、すでに国内の一部の国境で検問所を設置したという。
この検問所は国外へ逃げようとするロシア人男性を強制的に動員するためのもので、すでにSNSにも「動員検問所」を設置するために、軍用車両が国境に向かって移動している様子が映し出されている。
またジョージアと国境を接する、ロシアの北オセチア自治州の当局も、動員回避をするためにジョージアへ人々が逃亡するのを防ぐため、すでに渡航制限を設けているそうだ。
北オセチア自治州のセルゲイ・メニャイロ首長によれば、過去2日間だけで、2万人以上が国境を越えてジョージアに入国したという。
Russian heavy vehicles are moving towards Georgian border. Are they going to mobilise all who are waiting on the border checkpoint?? #MobilizationInRussia #mobilization #mobilisation pic.twitter.com/0oCEF0gMBJ
— Jane (@JaneDiaries911) September 27, 2022
ロシア国内にいる自国民に避難を促す
この動きを受けて、モスクワにあるアメリカ大使館は、セキュリティ警告を発令し、アメリカ国民に直ちにロシアから離れるように促した。
アメリカ大使館のウェブサイトでは、ロシアとアメリカの二重国籍を有する者が、ロシア政府による動員の一部として召集される可能性があると警告しているという。
また警告では、アメリカ市民はロシアへの渡航を控え、ロシア国内に居住または旅行している人は、限られた商業フライトなどの選択肢が残っている間、直ちにロシアを出国すべきである、と述べている。
ブルガリアとポーランドの両政府も、ロシア国内に残っている自国民に対し、緊急に立ち去るよう促しているそうだ。
これは、ロシアでの強制動員から逃れるために国境を越えるルートが閉鎖され、国境通過がより困難になることを見越してのことと考えられている。
「破壊工作」の見方を強める
一方、バルト海を通っているパイプラインの「ノルドストリーム」だが、ヨーロッパ側はガス漏れが、ロシアによる意図的な破壊工作であるとの見方を強めている。
ヨーロッパの指導者たちは、ノルドストリーム1と2からのガスの漏えいは、破壊工作が最も可能性の高い原因であると述べたという。
スウェーデンの国家警察も、「爆発」が「おそらく意図的な行為」であると示唆した後、ノルドストリームからの漏えいについて調査を開始したそうだ。
またドイツ当局は、2つのラインの漏れを迅速に修復しなければ、ノルドストリーム1が「永遠に使用できない」状態になると懸念を示している。
すでにガス価格は、ロシアがウクライナ経由でヨーロッパへの供給を停止するのではないかとの懸念から上昇しており、バルト海にあるノルドストリームの損傷による混乱に拍車をかけているという。
一方、ロシア側はノルドストリームへの「破壊工作」については否定している。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Kremlin-backed officials ask Putin to annex regions; EU announces new sanctions on Russia – as it happened(9/28)