スウェーデンで「コーラン」を燃やした事件の背後に、ロシア政府の影
先日、スウェーデンで「コーラン」が燃やされる事件が起きたが、その背景にロシア政府の影が見え隠れしているという。
トルコはNATO加盟を不支持
この事件が起きたのは1月21日、場所はスウェーデンの首都、ストックホルムにあるトルコ大使館の前とされている。
当時、極右政治家で反イスラムを唱えているラスマス・パルダン氏が、イスラム教の聖典「コーラン」に火を放ったという。
この行為により、トルコのエルドアン大統領が激怒。スウェーデンのNATO加盟に不支持を表明し、「我々の大使館の前でこのような冒涜を許す者は、もはや我々のNATO加盟への支持を期待できないだろう」と述べたそうだ。
「RT」の元寄稿者が払っていた
しかしその後、このコーラン焼却の裏には、ロシア政府とつながりのあるジャーナリストの存在があったことが明らかとなった。
当時、パルダン氏はこの抗議活動の許可を得るために、当局に対して320スウェーデン・クローナ(約4000円)を支払ったという。
しかしこのお金は、ロシア政府が支援するメディア「RT(Russia Today)」の元寄稿者で、極右政党「スウェーデン民主党」の元幹部である、チャン・フリック氏が払っていたそうだ。
ロシア政府を支持していない?
その後、フリック氏は「インサイダー」のインタビューで、抗議行動を行うための許可証のお金を支払ったことは認めたが、イスラム教の聖典を燃やすことは「私のアイディアではない」と主張したという。
また彼は、2014年以降、「Russia Today」では働いておらず、クリミア併合以降、ロシアを支持していないと発言したそうだ。
しかしフリック氏は、2019年にニューヨーク・タイムズの取材に応じた際、ロシアのプーチン大統領とのつながりを冗談交じりに語っており、ロシア旅行で得たルーブル札の束を取り出しながら、記者に「ここに私の本当のボスがいる! プーチンだ!」と述べていたという。(了)
出典元:The Guardian:Burning of Qur’an in Stockholm funded by journalist with Kremlin ties(1/27)