ウクライナ軍、ヘルソン州で川の東岸に陣地を構築
ウクライナ軍が、南部のヘルソン州において、ドニプロ川の東岸に陣地を構築したと報じられている。
ドニプロ川の東岸に陣地
ウクライナ軍は昨年、ドニプロ川の西岸にあるヘルソン市をロシア軍から奪還。しかし以来、川の東岸には陣地を構築することはできなかった。
このためロシア軍は、川の東側から、射程範囲内のヘルソン市などへ砲撃を継続。ヘルソン市は、ウクライナ軍に解放されたとはいえ、常に脅威にさらされてきた。
しかし今回、ウクライナ軍が川の東岸に陣地を構築したことで、ヘルソン市を攻撃し続けてきたロシア軍をその領域から追い出す、最初のステップとなる可能性がある。
この東岸の陣地の構築については、ロシアの軍事ブロガーが最初に報じ、その後、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」が、ブロガーの言葉を引用する形で伝えた。
ロシア軍が防衛体制に切り替える
一方、ウクライナの情報機関のトップであるKyrylo Budanov氏によると、ロシア軍はドネツク州のバフムトを除く、ほぼ全ての戦闘地域で、防衛体制に切り替えたという。
前線で街を奪取しようと攻撃態勢にあるのは、ドネツク州のバフムトとアウディーイウカ市の北部だけで、ドネツク州のマリンカでも局地的な戦闘しか見られないそうだ。
またBudanov氏は、長期的な戦車戦が行われているドネツク州のヴフレダール(Vuhledar)が、ロシア軍に奪取される可能性はほとんどないとの見方を示した。
中国大使の発言が波紋
一方、フランスに駐在する中国大使の発言が、波紋を広げている。
その中国大使とは、盧沙野氏だ。彼は21日、フランスのテレビ番組に出演し、2014年にロシアに併合されたクリミアが、ウクライナの一部であるかどうか、質問された。
盧大使は「旧ソ連諸国は、主権国家としての地位を具体化する国際協定がなかったため、国際法上有効な地位を有していない」と発言。
クリミアについても、「この地域は当初はロシア領だったが、ソ連時代にウクライナに提供された」として「問題の捉え方次第」と指摘したという。
この発言は、1991年のソビエト連邦崩壊後に独立国家となり、国連加盟国となった国々の主権を否定するようなものだ。
このため旧ソ連のリトアニア、ラトビア、エストニアは反発。中国大使を召喚して説明を求めたという。
またウクライナ、モルドバ、フランス、欧州連合(EU)の関係者も、盧大使の発言に批判的な反応を示している。(了)
出典元:The Guardian:Russia switching to defensive positions in all areas of combat except Bakhmut, claims Ukraine intelligence – as it happened(4/24)
出典元:CNN:Chinese ambassador sparks European outrage over suggestion former Soviet states don’t exist(4/24)