米・極右アナウンサーのT・カールソンが、Foxニュースを解雇される
アメリカの極右アナウンサーとして知られる、タッカー・カールソン氏がFoxニュースを退職することになった。
放送局が関係を断ち切ったと発表
カールソン氏は、Foxニュース(保守的な番組)の午後8時の番組を受け持ち、局内の単独司会者として、最も高い視聴率を誇っていたという。
しかし共和党の支持者で、極右思想の持ち主である彼は、番組内で過激なレトリックを用い、陰謀論を展開。
2020年の大統領選挙の正当性について繰り返し疑念を伝え、新型コロナ・ワクチンに関する陰謀論を報じ、白人民族主義者らを擁護して、社会に憎悪をばらまき続けたとされている。
Foxニュースは4月24日、そんなカールソン氏との関係を断ち切ったと発表。彼の最後の番組が、先週の金曜日であったことを明らかにした。
退社の理由は語らず、事実上の解雇
Foxニュースは声明で、「カールソン氏のホストとしての、またそれ以前は寄稿者としての放送局への貢献に感謝する」と述べた。しかし、彼の退社の理由については、明らかにしていない。
この問題に詳しい人物によれば、カールソン氏との決別は、Fox社を所有するルパート・マードック氏の決断とされ、その後Fox社の最高経営責任者であるラクラン・マードック氏と、Foxニュースの最高経営責任者であるスザンヌ・スコット氏によって、4月21日の夕方に決定されたという。
カールソン氏は、24日にこの決断を知らされたらしく、彼は21日の番組の最後でも「また月曜日にお会いしましょう」と述べていたとか。つまり今回の決定は、事実上の解雇と考えられている。
人種差別主義、外国人排斥、反LGBTQ
アメリカの名誉毀損防止連盟の代表であるジョナサン・グリーンブラット氏は、今回のFox ニュースの決定を賞賛。
「あまりにも長い間、カールソンはゴールデンタイムの番組を使って、反ユダヤ主義、人種差別主義、外国人排斥、反LGBTQへの憎しみを何百万人に向かって吐いてきた」と述べている。
またFoxニュースの社内でも、カールソン氏を批判してきた一部の社員が、このニュースを知って喜んだという。
ある社員は、「一般的には安堵感があり、彼ら(経営陣)がそれを実行する勇気があったことに驚き、文化の変化を期待している」と述べたという。
しかし、カールソン氏がいなくなったとしても、Foxニュースが、保守的な視聴者の好む右派的なニュースから大きく外れることはないだろう、との見方も出ている。(了)
出典元:CNN:Tucker Carlson out at Fox News(4/24)
出典元:The Guardian:Tucker Carlson leaves Fox News in surprise announcement(4/24)