Switch news

知っておきたい世界のニュース

フランスで国内短距離路線のフライトが禁止へ、気候変動対策

フランスで国内短距離路線のフライトが禁止へ、気候変動対策
flickr_jtsarkis

フランス政府は、二酸化炭素排出量削減のため、国内短距離路線のフライトを禁止した。

 

鉄道で代替可能なフライトを禁止

 

今回、施行された法律は、2年前に議会で決議されたもので、今後は鉄道で代替可能な2時間半以内で移動できる国内短距離路線のフライトが禁止されるという。

 

この措置により、パリやナント、リヨン、ボルドーなどの都市を結ぶ航空便はほぼ廃止されたが、乗り継ぎ便には適用されないそうだ。

 

ただし専門家らは、今回の措置は「象徴的な禁止措置」だと評しており、業界団体「Airlines for Europe(A4E)」の暫定代表・Laurent Donceel氏も、「これらの旅行を禁止しても、CO2排出量には最小限の効果しかない」と述べた。

 

その上でDonceel氏は「各国政府はこの問題に対する、現実的で重要な解決策を支援すべきだ」と語っている。

 

求められていた制限は「4時間以内」

 

実は、エマニュエル・マクロン大統領が2019年に立ち上げた、150人の一般市民が参加する「気候に関する市民会議」では、4時間以内の列車移動が可能な場合、飛行機移動を廃止することを提案していたという。

 

しかしその後、航空会社の「エールフランス-KLM」だけでなく、一部の地域からの反対を受け、制限対象の移動時間が2時間半に短縮されたそうだ。

 

このためフランスの消費者団体「UFC-Que Choisir」は以前から、4時間の制限を維持するよう議員に要請。次のように述べていた。

 

「平均して、飛行機は列車よりも、乗客一人当たり77倍ものCO2を排出しています。SNCF(フランス国鉄)がこの機会を捉えて、人為的に価格をつり上げたり、鉄道サービスの質を低下させたりすることがないよう、安全策を講じるべきです」(了)

 

出典元:BBC:France bans short-haul flights to cut carbon emissions(5/23)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top