細胞培養肉が正式に認可され、商業販売を開始へ【アメリカ】
アメリカで細胞から培養して作られた肉が正式に認可され、今後市場に流通するようになる。
米食品医薬品局が販売を認可
その細胞培養肉を作っているのは、カリフォルニア州の町、エメリービルを拠点とする企業「UPSIDE Foods」と、同じくカリフォルニア州の町、アラメダを拠点とする「Good Meat」だ。
「Good Meat」は、植物由来の卵代替食品技術会社「Eat Just」の培養肉部門とされ、両社はアメリカ農務省によって最初の細胞培養鶏肉製造業者として承認された。
また両社はアメリカ食品医薬品局によっても、細胞培養肉の販売が認められたという。
富豪たちも投資、科学者も推奨
「UPSIDE Foods」には以前から、ビル・ゲイツ氏や、リチャード・ブランソン氏などの富豪らが投資してきたという。
また科学者らも、地球温暖化、動物への非人道的な扱い、世界的な飢餓の拡大に対する解決策として、実験室で培養された肉を推奨してきたそうだ。
食品・農業製造業界も、今回の承認について「歴史的」な瞬間として歓迎しているという。
「新しい時代の幕開け」
「Good Meat」は以前、シンガポールでチキンを販売するために複数の規制当局の承認を得ていたが、今回の承認を受けて、アメリカ市場向けに生産を開始する予定だとしている。
「UPSIDE Foods」も、バイオリアクターで動物の細胞から育てた本物の鶏肉を培養し、販売を開始するという。
「UPSIDE Foods」の鶏肉は、ミシュランの三ツ星を獲得したアメリカ初、そして唯一の女性シェフであるドミニク・クレン氏のレストランで、消費者に提供される予定だという。
「UPSIDE Foods」はブログにおいて、次のように述べている。
「我々のチームとサポーターの長年の献身、創意工夫、柔軟な力強さの集大成であり、食肉生産における全く新しい時代の幕開けである。(略)まもなく、アメリカ人は毎年何十億頭もの動物を屠殺することなく、美味しい肉を楽しむことができるようになる」(了)
出典元:GMA:USDA approves 1st ever ‘cell-cultivated meat’ for 2 American manufacturers(6/22)