米の世論調査、バイデン政権の「ガザ紛争」における対応、61%が支持せず
アメリカで世論調査が発表され、多くの国民が、ガザ地区における紛争解決に関し、バイデン政権の努力に懐疑的な見方を示した。
「平和的解決に影響を与えていない」
「CBS」が発表した新しい世論調査によれば、イスラエル・ハマス紛争におけるバイデン政権の対応については、全体の39%が賛成、61%が反対と答えたという。
10月に「賛成」と答えた人は44%だったため今回、5%下がり、「反対」と答えた人は10月の56%から5%増える結果となった。
またアメリカ人の46%は、バイデン政権がガザ地区における紛争の平和的解決に「何の影響も与えていない」と考えているそうだ。
一方、バイデン政権が平和的解決を行う可能性が「高い」と考えている人はわずか20%。34%は、大統領が平和的解決を行う可能性は「低い」と考えているという。
民主党支持者の間でも、バイデン大統領がイスラエルに対して「過剰な支援」を行っていると考えている人は38%。10月に実施された世論調査から、10%上昇している。
逆に民主党員の54%は、バイデン大統領がイスラエルに対し、「適切な支援」を示していると答えているが、そう考える人の割合は10月から8%減少したそうだ。
またバイデン政権が十分な支援を行っていないと考える民主党員はわずか8%で、10月から2%減少している。
避難した人々が劣悪な衛生環境で生活
ガザ地区では、イスラエル軍が攻撃を続けており、12月10日にも南部への侵攻を行い、過去24時間に「250以上のテロ目標」を攻撃したと主張している。
ガザ地区に住んでいる人々は避難を余儀なくされ、人道支援物資も不足し、病気の蔓延も懸念されており、さらに人道状況が悪化しているという
「国境なき医師団」のNicholas Papachrysostomou氏は、ガザ地区にあるアル・シャブーラ診療所について「診療所の他の患者は全員、寒さと雨に長時間さらされたことによる気道感染症を患っている」とし、次のように語っている。
「人々は極めて劣悪な衛生環境で生活しています。ある避難所では、600人が1つのトイレを共有しています。すでに多くの下痢の症例が見られています。たいてい最も大きな影響を受けるのは、子供たちです」
“People are living in extremely poor hygiene conditions. In some shelters, 600 people share a single toilet. We are already seeing many cases of diarrhea. Often children are the worst affected.” pic.twitter.com/sLrLwUj4Wi
— MSF International (@MSF) December 10, 2023
「私たちは砂の上で寝ています」
またガザ地区にも冬が近づいており、暴風雨と強風がすでに沿岸部を襲い、テントが散乱しているそうだ。
さらに、ほぼ全ての医療が崩壊したため、妊婦たちは殺菌されていないテントの中で出産を余儀なくされ、燃やす薪から出る煙で、人々が呼吸器疾患を悪化させているという。
ガザ地区北部の町、ベイト・ラヒアから南部のラファに避難した女性、ソアド・カルムートさんは、次のように語っている。
「私たちはここで、厳しい寒さの中で暮らしています。トイレはありません。私はガン患者です。私が寝られるマットレスもありません。私たちは砂の上で寝ています。すごく寒いです」
ガザ地区では10月7日以来、イスラエル軍の攻撃により、1万7900人以上のパレスチナ人が殺害されている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Gaza war live: Israel’s bombardment of Gaza ‘narrowing the window’ for renewed hostage deal, says Qatar PM(12/10)