ロバート・デ・ニーロの受賞が取り消し、反トランプのスピーチが原因
アメリカ人の映画俳優、ロバート・デ・ニーロ氏の受賞が取り消された。
全米放送協会の「リーダーシップ賞」
デ・ニーロ氏には、全米放送協会から「リーダーシップ賞」が授与される予定だったという。
しかし今週、トランプ前大統領の裁判が行われているニューヨークの建物の外で、デ・ニーロ氏はトランプ氏を非難する演説を行った。
このことから全米放送協会は、デ・ニーロ氏の賞を取り消したと発表した。
「党派を超えたもの」
全米放送協会の広報担当者は5月30日、メディア「The Hill」に対して、受賞を取り消した理由について、自分たちのイベントは「党派を超えたもの」だと説明。その上で次のように述べた。
「我々はすべてのアメリカ人が言論の自由を行使し、市民活動に参加する権利を強く支持するが、デ・ニーロ氏の最近の注目を浴びた行動(トランプ批判)は、我々が表彰したいと思っていた慈善活動に動揺を引き起こすことは明らかです」
その上で広報担当者は今後、デ・ニーロ氏がイベントに参加することはない、と説明した。
協会への感謝の意を表明
一方、デ・ニーロ氏は、この決定に抗議せず、同協会への感謝の意を引き続き表明。次のように声明で述べたという。
「私は全米放送協会・リーダーシップ財団の活動を支持しており、財団が私たち全員のためにこれまで行ってきたこと、そしてこれからも行っていくであろうことに感謝の意を表したい。そして、今後も素晴らしい活動が続くことを祈っている」
そもそもデ・ニーロ氏は裁判所の前で、次のように訴えていた。
「我々、ニューヨーク市民は、彼(トランプ氏)が大物に変装した、ただの汚い不動産詐欺師、タブロイド紙に嘘をつきまくる二流のプレイボーイだった頃は、彼を容認していた。(彼が)道化者だった時には、誰も彼を真剣に受け止めなかった。しかし今は、皆が彼を真剣に受け止めている。我々は、他の道化師たちが、残忍な独裁者になるまで、真剣に受け止められていなかったという、歴史の教訓を忘れている。トランプ氏に対して、我々には2度目の機会がある。今は誰も笑っていない。今こそ最終的に、彼を投票で追い出し、阻止するべき時だ。(略)もしトランプ氏がホワイトハウスに戻れば、アメリカ国民は、当然だと思っていた市民の自由が消え去り、選挙の終わりを目にすることになるだろう」(了)
出典元:The Guardian:Robert De Niro denied leadership award after speaking out against Trump(5/31)