日本で作られた世界初の木造人工衛星、打ち上げに成功
日本の研究者たちによって作られた、世界初の木造の人工衛星。それを載せたロケットが先日、アメリカで打ち上げられた。
木材利用の可能性を試す研究の一環
その木造の人工衛星とは、「LignoSat」。これは各辺が10cmの四角い箱の形をしているという。
「LignoSat」は宇宙ゴミを減らすため、木材利用の可能性を試す研究の一環として、京都大学や住友林業の研究者などによって作られたそうだ。
京都大学有人宇宙学センターは11月5日、アメリカ・フロリダ州にあるNASAのケネディ宇宙センターから、SpaceX社の無人ロケットで「LignoSat」が打ち上げられたと明らかにした。
Japanese scientists launched the LignoSat, the world’s first wooden satellite into space. It’ll stay in orbit for six months in an attempt to prove wood is a space-grade material https://t.co/GUcssZvufk pic.twitter.com/S9ldUDA4kt
— Reuters (@Reuters) November 5, 2024
京大宇宙木材プロジェクトでは記事に記載の木造人工衛星を製作しています。来年2月に打ち上げを予定しており、現在2号機の開発も並行して行っています。
添付の写真はLignoSatの試験風景です。 pic.twitter.com/34VFgTe3rX— 京大宇宙木材プロジェクト (@spaceKUwood) May 16, 2023
世界初の木造人工衛星LignoSatは、6月4日にJAXAに引き渡され、6月13日に小型衛星放出機構(J-SSOD)に封入されました。今年の9月にケネディ宇宙センターよりSpaceX社Falcon9ロケットで打ち上げられ、国際宇宙ステーションに到着します。宇宙空間への放出は10月から11月になりそうです。 pic.twitter.com/5AlIAK2NdI
— 京大宇宙木材プロジェクト (@spaceKUwood) June 30, 2024
ISSに到着後、宇宙空間へ
この人工衛星は日本の「JAXA」が用意した特別なコンテナに搭載され、無事に宇宙空間へ飛び立ったことが確認された。
「LignoSat」を共同開発した住友林業の広報担当者によれば、衛星はまもなく国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、1カ月後には、強度と耐久性をテストするため、宇宙空間に放出される予定だという。
人工衛星からのデータは研究者に送信され、彼らは歪みの徴候をチェック。また衛星が極端な温度変化に耐えられるかどうかを、判断するそうだ。
研究者たちは、この衛星が大気圏に再突入する際、木製の素材が燃え尽きると考えており、この方法により、退役した衛星が地球に帰還する際、宇宙ゴミである金属粒子の発生を防ぐことができると考えている。(了)
出典元:The Guardian:World’s first wooden satellite launched into space(11/5)