ISSでロシアの宇宙飛行士が異臭に気づき、モジュールの一部を閉鎖
国際宇宙ステーションで異臭が検知され、ロシアのモジュールの一部が閉鎖された。
ロシアの無人補給船から異臭
NASAは11月24日に声明を発表し、ロシアの宇宙飛行士が異臭に気づいた後、「ポイスク」と宇宙ステーションの他の部分をつなぐハッチを閉鎖したと明らかにした。
「ポイスクモ」とはロシアの与圧モジュールとされ、ロシアの宇宙船のドッキングポートとして使用されると同時に、エアロックとしての役割を果たすという。
ロシアの宇宙飛行士は、ISSとドッキングしていたロシアの無人補給船「プログレス90」から異臭と飛沫が放出されているのを確認したため、ハッチを閉鎖したそうだ。
その後、NASAは「プログレス」の船内の物質から、ガスが放出された可能性が高いと明らかにした。下は「プログレス90」がドッキングする様子。
The Progress 90 cargo craft from Roscosmos docked during an automated procedure to the International Space Station’s Poisk module at 9:31 a.m. EST on Saturday, Nov. 23, 2024. pic.twitter.com/E0EkDiJKmj
— International Space Station (@Space_Station) November 23, 2024
燃料や推進剤からの放出ではない
「プログレス」補給線は、ISSに食料や物資、燃料などを運ぶ役割を果たしており、非対称ジメチルヒドラジンと呼ばれる燃料と、四酸化窒素と呼ばれる酸化剤(ロケットエンジンの推進剤)で稼働しているという。
これらの燃料と推進剤はいずれも人体に有害だが、今回の異臭の原因は燃料や推進剤ではなく、ロケット内にあるものから放出されたと考えられている。
実際、宇宙飛行士に影響はなく、乗組員は臭いがすぐに消えたと報告しており、貨物移送作業も予定通りに進んでいるそうだ。
また空気洗浄装置と汚染物質センサーにより、宇宙ステーション内の空気の質が正常レベルに戻ったことも確認されたという。
今回の「プログレス」補給船は、約3トンの食糧や物資、燃料を積んで、11月21日にカザフスタンのバイコヌール基地から打ち上げられたそうだ。(了)
出典元:KVIA:Astronauts had to shut down a Russian space station module due to ‘unusual odor’ from spacecraft(11/25)