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トランプ氏が任命した連邦判事、敵性外国人法に基づく強制送還を禁止

トランプ氏が任命した連邦判事、敵性外国人法に基づく強制送還を禁止
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トランプ大統領が任命したテキサス州連邦地裁の判事が、敵性外国人法に基づく国外への強制送還を禁止すると判決を下した。

 

国外追放を永久に差し止める

 

連邦地方裁判所のフェルナンデス・ロドリゲス判事は5月1日、テキサス州南部地区で敵性外国人法に基づき国外追放の対象となっているベネズエラ人を、トランプ政権が拘留、移送、または強制退去させることを永久に差し止めるとの判決を下した。

 

またトランプ政権による敵性外国人法の運用は、同法の「範囲を超えている」と厳しく批判したという。

 

今回の判決は、連邦判事がトランプ大統領による敵性外国人法の違法使用を宣言した初めてのケースとなる。

 

敵性外国人法の発動は「違法」

 

ロドリゲス判事は36ページに及ぶ意見書の中で、トランプ大統領が3月15日に敵性外国人法を発動したことは「違法」であると明言。

 

そもそも敵性外国人法は、外国の国家または政府が、アメリカへ侵略または略奪的侵入で脅かした場合に発動されるものであり、この法律に基づき、太平洋戦争中には日本からの多くの移民が強制隔離された。

 

このためトランプ氏は、ベネズエラの犯罪組織「Tren de Aragua」が、アメリカを侵略していると主張。

 

しかしロドリゲス判事は、この主張も非難し、「Tren de Aragua」がアメリカを「侵略」、または「略奪的侵入」を行っていることを証明するには至っていない、と結論付けたという。

 

もっとも今回の判決は、敵性外国人法に基づく強制送還にのみ適用され、移民国籍法に基づいて政府が個人を拘留したり、強制送還を求めたりすることを妨げるものではない。

 

ただ、この敵性外国人法により、これまで多くのベネズエラ人が移民関税執行局の職員に拘束され、国外追放されている。

 

しかも以前、裁判所から保護措置が取られていたメリーランド州の男性も誤って国外追放されたが、トランプ政権は彼を帰国させようとはしていない。(了)

 

出典元:ABC News:Judge in Texas rules Trump’s use of Alien Enemies Act for deportations ‘exceeds the scope’ of the law(5/2)

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