ロシア政府、ウクライナ軍が原子力発電所をドローン攻撃したと非難

ロシア政府は、国内にある原子力発電所が、ウクライナ軍によるドローン攻撃を受けたと明らかにした。
国境から60km離れた原子力発電所
ロシア政府は、8月24日にウクライナ軍が西部クルスク州にある「クルスク原子力発電所」に対して、ドローン攻撃を行ったと非難した。
この原子力発電所は、ウクライナとの国境から約60km離れた地点にあり、この攻撃で火災が発生。また補助変圧器が損傷し、原子炉の稼働能力が50%低下したという。
しかし「クルスク原子力発電所」は24日、撃墜されたドローンによる火災は鎮火し、死傷者や放射線量の上昇はなかったと発表した。
IAEAも放射線量は「正常」
また国連の原子力監視機関である国際原子力機関(IAEA)も、「クルスク原子力発電所」付近の放射線量は「正常」であると報告している。
ただIAEAは、ロシアが2022年2月に本格的な侵攻を開始して以来、原子力発電所付近での戦闘のリスクについて繰り返し警告してきた。
もっともウクライナ軍は、「クルスク原子力発電所」への攻撃については、言及していない。
ロシアの他の州にもドローン攻撃
ロシア国防省によれば、ウクライナの独立記念日である24日には、少なくとも95機のウクライナの無人機が、ロシア領内の12以上の地域で迎撃されたという。
またウクライナの無人機は、北西部のサンクトペテルブルクなど、前線から遠く離れた地域でも撃墜されたそうだ。
ロシアのレニングラード州にあるUst-Luga港には、大規模な燃料輸出ターミナルがあり、ドローン攻撃による火災に消防隊が対応したと言われている。
州知事によると、約10機のウクライナの無人機が撃墜され、破片が火災の原因となったという。
一方、ウクライナ側も、ロシア軍が弾道ミサイル1発とイラン製の攻撃ドローン「シャヘド」72機で攻撃したと発表。このうち48機は、ウクライナ空軍により撃墜されたそうだ。
ただウクライナ中部のドニプロペトロフスク州の知事によると、ロシアのドローン攻撃で47歳の女性が死亡したという。(了)
出典元:The Guardian:Russia accuses Ukraine of strike on nuclear plant in wave of drone attacks(8/24)