全米OPで帽子を横取りしたCEO、謝罪文を公表。デマも拡散【謝罪文全翻訳】

全米OPで、テニス選手のカミル・マイフシャクが少年ファンに帽子を手渡そうとしたところ、ポーランドの企業「Drogbruk」のCEOピオトル・シュチェレク氏がそれを横取り。その様子が映像に収められ、週末にかけてSNSで拡散された。
YelpやTrustpilotなどのレビューサイトで、Drogbruk社には週末だけで100件以上の★1レビューが投稿される結果となっている。
きっかけとなった出来事について、シュチェレク氏は日本時間の9月1日の夜に、会社のSNSを通じて謝罪文を公開した。
謝罪文の内容
投稿された謝罪文はこちらだ。
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全米オープンでのカミル・マイフシャク選手の試合中に起きた出来事に関連して、帽子を受け取るはずだった少年、そのご家族、すべてのファン、そして選手本人に対して、明確に謝罪いたします。
私は重大な過ちを犯しました。勝利の喜びに包まれた感情の中で、テニス選手が帽子を私の方向──以前にサインを求めていた息子たちのために──差し出しているのだと強く思い込んでしまいました。その誤った思い込みから、反射的に手を伸ばしてしまったのです。 今では、自分の行動が「子どもの記念品を意図的に奪ったように見える」ものであったことを理解しています。 それが意図的でなかったとしても、少年を傷つけ、ファンの皆様を失望させてしまった事実は変わりません。
帽子は少年に返却され、ご家族にも謝罪いたしました。 少しでも償いになっていればと願っています。
また、はっきりと申し上げます:私も、妻も、息子たちも、この件についてSNSやいかなるポータルでもコメントしておりません。法律事務所を通じた対応も一切行っておりません。 ネット上に出回っている「私たちの発言」とされるものは、すべて虚偽です。
私と妻は長年にわたり、子どもや若手アスリートの支援活動に取り組んできました。しかし今回の出来事は、「ほんの一瞬の不注意が、積み重ねてきた努力を台無しにする」ことを痛感させられる、非常に苦しく、そして必要な謙虚さを学ぶ機会となりました。
今後は、子どもや若者を支援する活動、暴力や憎しみに対抗する取り組みに、より積極的に関わっていく所存です。 失われた信頼は、行動によってのみ回復できると信じています。
改めて、失望させてしまったすべての方々に謝罪申し上げます。
どうかご理解いただけますように──家族への配慮から、この投稿へのコメント機能は無効にさせていただきました。
敬具 ピオトル・シュチェレク
帽子を少年から奪ったつもりはなく、自分の子どもたちに向けられたと勘違いしたと釈明。帽子は少年に返却して謝罪したこと、失われた信頼を行動で回復するつもりであることが述べられている。
この謝罪文についても、「強制された謝罪は謝罪じゃない」「被害者ぶっている」「謝ったのは映像でバレたから」「最も誠意のない謝罪」と、ネット上の意見は辛らつだ。
デマについても否定
この謝罪文では、シュチェレク氏の偽アカウントから、以下のような文章が投稿されたことについて、すべて虚偽だと説明されている。
最近のテニスの試合で起きた出来事が、インターネット上で過剰な騒ぎを引き起こしました。もちろん、あの有名な帽子のことです。はい、私が取りました。
はい、素早くやりました。でも、いつも言っているように「人生は早い者勝ち」です。
この行動が気に入らない人もいるかもしれませんが、どうか帽子ひとつで世界的なスキャンダルにしないでください。 インターネット上の憎しみに関して言えば、公人への侮辱は法的責任の対象となることを思い出してください。 すべての侮辱的なコメント、中傷、根拠のない憶測は、法的措置の可能性を視野に入れて精査されます。
帽子は早い者勝ちだったと言い訳し、侮辱的なコメントなどには法的措置も考えていることが書かれており、当然のようにさらなる炎上を呼ぶ結果となった。
この文章を投稿したアカウントは炎上が始まってから開設されたものであり、嘘の投稿であることは明らかだったが、文章だけが画像化されてSNSで拡散されてしまったのだ。
謝罪文にどこまで真実が込められているのかはわからないが、シュチェレク氏が後悔しているのは間違いないだろう。(了)
参考:ABC.NET.AU「Polish CEO Piotr Szczerek issues apology for stealing Kamil Majchzrak’s hat from US Open fan」(8/31)
参考:Tyla「CEO’s apology sparks backlash after he’s filmed ‘stealing’ from child at US Open」(9/1)
参考:Forbes「Polish CEO Who Snatched US Open Hat Apologizes For ‘Grave Mistake’ After Global Shaming」(9/1)