スコットランドで学生が珍しい破片を発掘、古代ピクト人の顔である可能性

イギリスのスコットランドで、学生が珍しい古代の彫刻の破片を発見した。
2つの目と鼻が描かれた彫刻
その学生とは、アバディーン大学考古学科3年生のジョディ・アランさんだ。
彼女は今年の夏休みに、スコットランドの町、イースト・ローモンドの丘陵地帯にある中世初期の砦で、ボランティアとして発掘調査を行っていたという。
そして出土した土をふるいにかけていた時、人の顔を描いたような10~12cmほどの破片を発見したそうだ。
その後、詳しく調べて見たところ、それは2つの目と鼻が描かれた彫刻であることが分かり、専門家は人間の顔を描いたものかもしれないと指摘している。
Archaeology student Jodie Allan came face-to-face with Scotland’s past when she unearthed an incredibly rare Pictish artefact https://t.co/xLV1kiJ6ky pic.twitter.com/CsdMBNoWvx
— University of Aberdeen (@aberdeenuni) September 19, 2025
かつてピクト王国が支配していた場所
この丘陵にある砦とその周辺の集落は、スコットランドの大部分を支配したピクト王国の最南端と考えられているという。
ピクト人とは古代にスコットランドのハイランド地方を支配し、ケルト系の言語を話し、1世紀に攻めてきたローマ軍と戦ったと考えられているが、あまり詳しく分かっていない。

アランさんは発掘後、その破片をアバディーン大学のゴードン・ノーブル教授に見せたという。
ノーブル教授は、イースト・ローモンドがピクト人の重要な集落であったことを示す証拠の1つだとし、次のように述べている。
「これは初期の図式的な彫刻で、2つの目、鼻、そして上部に生え際らしきものが描かれています。詳細な分析が必要ですが、顔の彫刻のようで、中世初期の写本に見られる人間の顔に似ています。この時代に人間の顔が描かれたものは非常に稀です。あらゆる類似点を検討する必要がありますが、もし本当に人間の顔であるならば、イースト・ローモンドに住んでいた地元のピクト人の簡素な肖像画である可能性があり、そう考えるのは興味深いことです」
発掘していた砦は、5世紀から7世紀にかけて、周囲にある集落の活動の最終段階に作られたと考えられている。(了)
出典元:INDEPENDENT:Student unearths rare stone that shows face carving from almost 2,000 years ago(9/19)