SNSで拡散した「生ラーメンチャレンジ」で少年が死亡。チャレンジに潜む危険性とは

今年の夏、アジア圏の文化から生まれたSNSチャレンジが、13歳の少年の命を奪う事故が起こった。一体何が起こったのだろうか。
イカゲームから広まったか
そのSNSチャレンジとは、TikTokやInstagramで広まっていた「#EatRamenRaw」だ。これはインスタントラーメンを、生のまま添付の調味料を振りかけてそのまま食べるというチャレンジだ。
元々はインスタントラーメンの袋に添付の調味料を振りかけ、粉々に砕いてスナック感覚で食べるというもの。韓国では手軽な間食として食べられることもあるそうで、TVシリーズ「イカゲーム」でこのシーンを見た人々から海外にも広まったと言われている。
しかし、最終的には塊のまま調味料を振りかけて食べるという、おいしさを度外視したチャレンジとなっていった。
起きた死亡事故
8月25日、エジプト・カイロに住む13歳の少年が、「30分以内に生のインスタントラーメンを3袋食べる」というチャレンジをした結果、腹痛や吐き気などを訴えて死亡した。死因は腸閉塞の可能性が指摘されており、少年はSNSに投稿する動画を撮影していたとみられている。
インスタントラーメンは油で揚げて乾燥させたものが多く、水分を吸収しやすい。生のまま食べると胃腸内で急激に膨張し、物理的に腸を塞ぐ危険性がある。また、調味料の粉末には塩分・香辛料・保存料が含まれており、腸粘膜を刺激して炎症を起こす可能性もあるのだ。
調理を前提とした食材を生で大量に食べたことが、今回の悲劇につながった。
広まる警鐘とトレンドの終焉
この事件はエジプト国内で大きな衝撃を与え、保護者や教育関係者、医療関係者がSNSの危険性に警鐘を鳴らす結果となった。
韓国国内でも模倣行動を防ぐため、学校や保健当局が啓発活動を強化。一部のインフルエンサーが「チャレンジ中止」を呼びかけた。今では、「#EatRamenRaw」のタグはほとんど使われなくなっている。
参考:Gulf News「Tragic viral trend: 13-year-old dies in Egypt after eating uncooked instant noodles」(8/29)
参考:The Korea Times「Alert over new ramen ‘challenge’: Deadly risks emerge after teen’s sudden death」(8/27)


























