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南アで発見されたヒト科の化石、新たな人類の祖先である可能性

南アで発見されたヒト科の化石、新たな人類の祖先である可能性
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南アフリカで過去に発見されたヒト科の化石の分析が行われ、新種である可能性が出てきた。

 

アウストラロピテクスの「リトルフット」

 

その化石は「リトルフット」と呼ばれ、これまでに発見されたアウストラロピテクスの骨格の中で最も完全なものとされている。

 

名前の由来となった足の骨は、1994年に南アフリカで初めて発見され、その後20年以上に渡って、Sterkfontein洞窟で発掘作業が行われたという。

 

そして最新の研究により、「リトルフット」が新しい人類の祖先である可能性が出てきた。

 

第三の種である可能性が浮上

 

アウストラロピテクスは「南方の類人猿」という意味で、420万年前からアフリカに生息していたヒト科のグループのことだ。

 

以前、発掘チームを率いた、ウィットウォーターズランド大学の古人類学者であるロナルド・クラーク教授は、「リトルフット」を「アウストラロピテクス・プロメテウス(Australopithecus prometheus)」だと推定したという。

 

一方で、別の研究者らは、「リトルフット」を、1925年に初めて確認され、以前にも同じ洞窟群で発見されていた「アウストラロピテクス・アフリカヌス(Australopithecus africanus)」であると考えてきた。

 

しかし今回、オーストラリアの研究者が主導し、「American Journal of Biological Anthropology」誌に掲載された新たな研究で、「リトルフット」の特徴が両種と異なることが明らかになり、第三の種である可能性が浮上した。

 

頭蓋骨の後部に違いを発見

 

メルボルンのラ・トローブ大学の非常勤講師で、この研究を率いたジェシー・マーティン博士は、次のように述べている。

 

「私たちは、これが今まで知られず、サンプルも採取されていなかった人類の祖先の種だと考えています。アウストラロピテクス・プロメテウスとは似ていませんが、Sterkfontein洞窟から発見されたアフリカヌス全体とも似ていません」

 

研究者たちは今回、「リトルフット」と「アウストラロピテクス・アフリカヌス」を区別する重要な違いを特定。特に、頭蓋骨の後部にある項(うなじ)が長い点などに、違いがみられたという。マーティン博士は、次のように説明している。

 

「頭蓋骨の後部下部は、人類の進化においてかなり保存されていると考えられており、つまりそれほど急速に変化しないのです。頭蓋底部に違いが見つかった場合、その違いは異なる種を表している可能性が高いです。なぜなら、進化論的に言えば、それらは容易に変化しないからです。私たちが発見した違いはすべて、その領域にありました」

 

ただ研究者らはまだ、「リトルフット」を正式に再分類しておらず、この化石骨格の年代についても、意見が分かれているという。

 

現時点で、「リトルフット」の化石骨格は367万年前と推定されているが、他の科学者は「リトルフット」の年代が、280万年より古くはないと主張している。(了)

 

出典元:The Guardian:Little Foot hominin fossil may be new species of human ancestor(12/15)

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