イスラエルがヨルダン川西岸地区の統制を強化、世界各国が反発

イスラエル政府は、ヨルダン川西岸地区での統制を強化する政策を発表し、EUやアラブ諸国などが反発している。
「パレスチナ国家の構想を潰す」
イスラエル政府は先日、安全保障会議を開き、現在パレスチナ自治政府の管轄下にあるヨルダン川西岸地区の特定地域に対しても、統制を強化していく方針を決定した。
具体的には、この統制強化により、入植地が拡大し、ヨルダン川西岸地区の土地所有者の特定が容易になり、非アラブ人が同地区で不動産を購入できるようになるという。
イスラエルのカッツ国防相は、極右政治家のベザレル・スモトリッチ財務相との共同声明で、この強化措置は、独立した主権国家パレスチナの出現を未然に防ぐことが目的だとし、「我々はパレスチナ国家という構想を潰し(kill)続ける」と述べた。
EU、アラブ諸国、英なども批判
これに対し、EUはこれらの措置を「誤った方向への新たな一歩」と呼び、EU・イスラエル貿易協定の一部停止の制裁措置を、「依然として検討中」だと述べた。
またサウジアラビア、ヨルダン、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦、パキスタン、インドネシア、トルコを含む各国も共同声明を発表し、「イスラエルの違法な決定と、イスラエルの不法な主権を押し付けようとする措置を、最も強い言葉で非難する」と述べた。
さらに、これらの新たな措置は「暴力を煽り、紛争を深刻化させ、地域の安定と安全を脅かす」と批判した。
イギリス政府も、イスラエルの措置に対し「強く非難する」と声明を発表し、次のように述べた。
「パレスチナの地理的または人口構成を変更しようとする、いかなる一方的な試みも全く容認できず、国際法に違反する。我々はイスラエルに対し、これらの決定を直ちに撤回するよう求める」
アメリカ・ホワイトハウスの担当者も記者団に対し、イスラエルへの反対を示唆する声明を発表し、次のように述べた。
「トランプ大統領は、イスラエルによるヨルダン川西岸併合を支持しないことを明確に表明している。安定したヨルダン川西岸地区はイスラエルの安全を維持し、この地域の平和達成という政権の目標にも合致する」
過去の法律などを無効化
イスラエルの新たな強化措置は、広範囲に及び、ヨルダン川西岸地区に対する権限と統制を直接的に狙っている。
1967年以前から、非アラブ人への土地売却が禁じられていたが、今回の措置は、その法律を廃止するものになるという。
また、ヨルダン川西岸地区の都市、ヘブロンにおける建築許可の権限を、パレスチナ人が運営するヘブロン市から、同地域における軍の占領権限があるイスラエル民政局に移譲するそうだ。
この権限移譲は、市を2つの地区に分割した1997年のヘブロン議定書に違反する可能性がある。
ベツレヘムのラケルの墓周辺のユダヤ人入植地も、パレスチナ自治政府の統治からイスラエルの直接管理下に移管されるという。
パレスチナ自治政府によるヨルダン川西岸地区の指定地域に対する支配は、過去数十年にわたり、資金不足、イスラエルによる強硬な妨害と入植地建設、そして自治政府自身の腐敗によって著しく弱体化してきた。
パレスチナ自治政府は首都ラマラで声明を発表し、イスラエルの新たな措置は「占領下のヨルダン川西岸地区の併合を、深化させる試みを狙っている」と警告した。(了)
出典元:The Guardiian:‘A step in the wrong direction’: Israel’s West Bank plans prompt global backlash(2/10)


























