臓器提供で誰かを救うため、生きる見込みのない赤ん坊を敢えて産んだ母親
死ぬ運命にある子供を敢えて産み、他の子供の命を救うために、産んだ我が子の臓器を提供した母親がいる。
無脳症の子供
米国テネシー州のKrysta Davis(23才)さんが妊娠したのは昨年のこと。妊娠18週間目になって、お腹の中の赤ん坊Ryleiちゃんが、無脳症であると分かった。
無脳症とは、脳の一部が欠如する奇形症の1つで、多くの場合死産か、無事に出産したとしても、その後生き続けることはできない。
担当医師はKrystaさんと夫のDerekさん(26才)に2つの選択肢を与えた。すぐに人工的に早産させて処置してしまうか、そのまま出産まで待つか。
そのままにしておけば、子供が子宮の中で死ぬ可能性があり、産まれたとしても、生きながらえるのは長くて数日だ。
夫婦の決断
2人の決断は、子供をそのままにしておくことだった。その理由は……
もし子供を産むことができれば、子供の臓器を他の子に提供することができます。そうすれば、私たちは子供を家に連れて帰れないとしても、他の親たちにはそれができるようになります。
これで私たち夫婦の態度は決まりました。
Krystaさんは海外メディアにこう話している。
Dad was so in love and so scared! But he did awesome.
妊娠中の喜び
妊娠期間中の2人の気持ちは、決して陰鬱なものではなかったそうだ。
私たちはお腹の中の子供から、とてもポジティブな力をもらいました。そして、多くの親たちが味わうのと同じ喜びを味わいました。
お腹の中で子供がキックするのを感じるのは、素晴らしいことでした。こんなに子供が動くとは思っていませんでしたが、実際、とてもよく動いていました。お腹の皮の下で動く小さな足の形が見えました。
2人は、子供との限られた時間を大切にした。
私は妊娠期間中、幸せを味わうべきだと分かっていました。私たちが子供と接していられる時間は限られているのですから。
1週間生き延びた子供
昨年のクリスマスイブに、Ryleiちゃんは産まれた。体重は2.7kg。奇跡的に1週間生き延び、12月31日に両親の腕の中で短い人生を終えた。
産まれるまでの9ヶ月間、私はRyleiに恋していたようなものでした。そして、産まれた彼女をこの腕に抱いた時の気持ちは最高でした。
子供の肺と心臓弁が提供され、別の2人の子供の命が救われた。担当医師は「このような(子供の臓器を提供してくれた)家族を見たのは12年ぶりだ」と言っている。
Krystaさんはこんな感想を述べている。
子供の臓器を提供するのは普通ではないことかもしれません。けれど、Ryleiに代わって、生きる見込みのなかった2人の子供が、無事に家に帰れました。私たち夫婦は、それを素晴らしいことだと感じています。
(了)
出典元:METRO:Mother gives birth to baby girl she knew would die so her organs could save other sick children(1/11)
出典元:news.com.au:Mum gives birth to dying baby to donate organs to other sick bubs(1/14)